
江戸情緒を残す「銀座の最後の砦」と言われる金春通り界隈には、路上能の他にもここならではの歴史や名所がいくつもある。たとえば、金春通りにほど近い、新橋会館の屋上に祭られた金春稲荷。金春屋敷はのちに麹町に移るが、その跡地には芸者が集い、栄えるようになった。芸者たちは芸に秀でた「金春芸者」と呼ばれ、幕府のお墨付きをもらい、新橋の地にかけて花街を形成。幕末から明治にかけては薩長土肥の志士達や政府要人も多く訪れたという。金春稲荷は戦前までは金春通りにあり、お座敷に向かう前の芸者たちが必ずお参りをした社だった。明治の末期から、この金春芸者の間で流行したのが、緑がかった青色の「金春色」で、金春通りの銘板にも使用されている。同じく通りに面した金春湯は、江戸時代末期に創業した150年以上の歴史をもつ銭湯だ。明治政府が江戸の大火を恐れて造ったという煉瓦街の遺構も残されている。
こうした歴史の重なるところだからこそ、今も江戸情緒を濃く伝える店舗や世界に冠たる高級すし店までが並び、ふらりと歩くだけで、感性を刺激するしゃれた和のデザインや、知的好奇心を満たされる伝統に出合うことも数多い、まさに新旧相まった大人の魅力あふれる通りなのだ。
こうした歴史の重なるところだからこそ、今も江戸情緒を濃く伝える店舗や世界に冠たる高級すし店までが並び、ふらりと歩くだけで、感性を刺激するしゃれた和のデザインや、知的好奇心を満たされる伝統に出合うことも数多い、まさに新旧相まった大人の魅力あふれる通りなのだ。
