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(右)Brunello di Montalcino 1977 Biondi Santi
ブルッネロ・ディ・モンタルチーノの創始者であるビオンディ・サンティのワイナリーが送り出した偉大な赤。リゼルヴァは熟成までに30~40年かかると言われる。物静かなトーンでみずみずしく繊細な味わい。
(左)Brunello di Montalcino 1998 Case Basse
ブルッネロの名門と言われるカーセバッセで、名手ジャンフランコ・ソルデラが手掛ける名醸中の名醸。伝統的な製法を頑なに守り、金属製品は一切使わないという徹底ぶり。ワインブームの火付け役。
「イタリアワインの面白さは、土着品種のブドウを大切にしていること」
ヘミングウェイの代表作の一つ『武器よさらば』はイタリアが舞台になっている。
 主人公はそこでドイツ軍と戦いながらも、女性と恋に落ち、イタリアならではの料理の数々に舌鼓を打つ。おそらく、第一次世界大戦中にアメリカ赤十字軍に加わり、イタリアでの従軍体験を持つヘミングウェイの実体験が、色濃く反映されているはずだ。
 ピエモンテ土着のフレイザ種で造った甘口ワインをイチゴの香りがするかしないか品評したり、戦火から避難した農家で木の栓をされたワインのボトルを見つけ「チーズとリンゴを食べた後のワインはとてもうまかった」と書いたり。
 さらに、「タンニンの渋みの強い、芳醇な、澄んだ赤ワイン」といったアスティのワインの描写も見つけることができる。


まるでサッカーチームのよう

 そんなイタリアワインの深い世界を日本で堪能しようと思ったら、最良のパートナーになってくれるのが、内藤和雄氏だ。イタリアワインを学ぼうという人のための教室を開いたり、伝道師的な役割を担っている人であり、同時に、東京・西麻布のリストランテ「ヴィーノ・デッラ・パーチェ」のソムリエを務める。そこでは、イタリアワインの世界を、充分に味わうことができる。
 「イタリアワインの面白さは、土着品種のブドウを大切にしていることです。フランスのワイン界はピノノワールやシャルドネなど、ブドウ品種を明確に限定しましたが、イタリアでは、まるでサッカーチームのように、それぞれの地方で昔から造られてきたブドウとワインが個性を主張しています」
 イタリアのワインは、大きく生産地で分けると次のように。
 バローロやバルバレスコで知られるピエモンテ州、ヴァルテッリーナやフランチャコルタのロンバルディア州、ソアーヴェや発泡性プロセッコのベネト州、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノが造られるトスカーナ州、新しい造り手が生まれているシチリア島。加えて、フリウリ=ベネチア・ジュリア州、エミリア=ロマーニャ州、ウンブリア州、カンパニア州、さらにリゾートとして知られるサルデーニャ島など、実にイタリア全土、20州でワインが造られているのだ。
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