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一般の店であれば、リブロースからそのままステーキ用の肉を切り出すが、木下シェフはさらに脂や筋を取り、よりきれいな状態であっさりと食べられるステーキを提供する。
1. 筋と脂の通るところに包丁を入れる。
2. サシ以外の脂を少しずつ剥ぐ。
3. サシの多い部分からステーキ用の肉を。
4. 手でさっくりと裂けるほどのやわらかさ。手で裂く方が包丁で無駄な傷をつけずに済む。
5. 薄く入った脂も丁寧に取り、この後細かく刻んで「タルタルステーキ」へと変身する。
6. 料理に使う肉を切り出した残り。捨てる部分は一切なく、カツレツやパイ包み焼きなど、それぞれの部位に適した料理へと使われる。木下シェフいわく、「いい肉はおいしさの幅が広い」。
シアワセになれる牛肉。
 木下シェフは牛肉を仕入れると状態を見ながら、場合によっては真空パックのまま、また別の場合はパックから出して布でくるんで冷蔵庫で保存する。というのは、時間の経過が肉の熟成を進めて、いわゆる「うまみ」が出てくるためだ。そのあと初めて肉はレストランに登場する。
「塊を前にして、今日はどうやって切ろうかなと考える時が楽しいです。たとえばリブロースだったら、脂によるサシが入っているところはステーキに向いているし、赤身のところは刻んでタルタルにするのが向いているな、と考えます」
 だからその日どんな肉がレストランに持ち込まれるかによってメニューにない料理ができることもある。それをレストラン用語では「口売り」といい、メニュー解説時にサービス担当者がゲストに伝えてくれる。その一種の即興性こそ、キノシタで最も美味なる牛肉を味わえる理由だ。
 そんな肉の達人、木下シェフがたどりついたのが八千代黒牛。なかでも千葉の塙(はなわ)牧場が手がける牛肉が最高だと言う。
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