汲めども尽きぬ伏流水
京都盆地が地下に有する水瓶は、岩盤までの最深部が約800m、その涸(か)れることのない伏流水の水量は琵琶湖の8割に上るという。
古来、水を信仰の対象としてきた日本人。京都にあっても、水の神を祀(まつ)る神社の境内にはよく、神水湧く井戸が見られる。その代表格の一つが、松尾大社だ。松尾山の神霊を祀って生活守護神としたことを起源とするこの神社には、亀の井という霊泉がある。酒造りの名水として、また延命長寿・よみがえりの水として慕われている。また、梨木神社の染井の井戸は、宮中御用の染所の水として用いられたという由緒ある名水。まろやかな味わいは茶の湯に適すと言われる。このほか、鞍馬の貴船神社や伏見の御香宮など、“水の名所"は枚挙に暇がない。
もちろん、神社だけではなく、酒や豆腐、生麩、湯葉等を商いする店や、西陣織や京友禅に代表される染物屋、茶道の家元等、水を大事にする家々、また一般の家庭でも井戸は未だ現役だ。京の町には今なお、「名水」とされる湧き水や井戸水が多数点在する。
“井戸巡り"をしていると、太古より人々の暮らしを支え、文化を育んできた「京の水」を、京の人々がいかに愛し敬ってきたかという気持ちが伝わってくるようだ。
古来、水を信仰の対象としてきた日本人。京都にあっても、水の神を祀(まつ)る神社の境内にはよく、神水湧く井戸が見られる。その代表格の一つが、松尾大社だ。松尾山の神霊を祀って生活守護神としたことを起源とするこの神社には、亀の井という霊泉がある。酒造りの名水として、また延命長寿・よみがえりの水として慕われている。また、梨木神社の染井の井戸は、宮中御用の染所の水として用いられたという由緒ある名水。まろやかな味わいは茶の湯に適すと言われる。このほか、鞍馬の貴船神社や伏見の御香宮など、“水の名所"は枚挙に暇がない。
もちろん、神社だけではなく、酒や豆腐、生麩、湯葉等を商いする店や、西陣織や京友禅に代表される染物屋、茶道の家元等、水を大事にする家々、また一般の家庭でも井戸は未だ現役だ。京の町には今なお、「名水」とされる湧き水や井戸水が多数点在する。
“井戸巡り"をしていると、太古より人々の暮らしを支え、文化を育んできた「京の水」を、京の人々がいかに愛し敬ってきたかという気持ちが伝わってくるようだ。

上賀茂神社の境内から流れ出る明神川。この川にそって賀茂の社家(神官の屋敷)が立ち並び、川と土塀、土橋、前庭の樹木と一体となって、社家町の歴史的な景観を今に伝える。