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(左上)唐紙や美濃紙、本漆塗りの床など、自然の上質な素材を使った美しい空間。部屋に備え付けのキッチンがあるほか、名店のパンと有機栽培フルーツがサービスされる。(右上)昔ながらの蔵や「市中の山居」をイメージした坪庭など、情緒ある風景が心に響く。(左下)庭を眺める風呂。香りのいい檜(ひのき)と、体を温める大谷石を施している。(右下)打ち水されて美しい細長い路地の向こうに玄関。手入れが行き届いている。

伝統ともてなしの心に包まれる京町家の大人のリゾート 日月荘
Text Rie Nakajima
1000年の伝統文化やグルメ、知的好奇心を満たす場所やモノがそこかしこに点在し、知れば知る程奥深い京都。ここに安息の地を求める大人に、とっておきの上質空間がある。京町家の離れの宿「日月荘」は、京の数寄屋職人の技と瑞々しく調えられた坪庭がプライベートに味わえる、1日1組限定の極上の宿だ。
京都の町家は、間口が狭く、奥行きがあるのが特徴だ。窓の少ない屋内に光や風を取り込むため、家の中やつきあたりに坪庭をつくる京都人の知恵は、実用的かつ客人の目を楽しませる景色となっている。
「日月荘」の名は、「壺中日月長(こちゅうじつげつながし)」という、壺(つぼ)の中のような狭い場所でも、悠々と平和な時間が流れ、快適に過ごせるとの中国の故事からつけられた。周辺は、かつての摂関家藤原氏の所有地であり、日月荘は四条で栄えた呉服商の居宅を改修したものだ。そのため、町家の形態は商家に多い高塀に囲まれた大塀(だいへい)造り。坪庭の向こうに本格的な茶室のある母家の風情を眺める離れが客室だ。
茶室の露地やにじり口には、和の美意識が集結している。茶の湯というと、作法のイメージが先行してしまうが、本来は客人を招き季節感と新鮮な驚きのアレンジで客人をもてなす粋なおもてなし文化。日月荘は茶の湯の精神を大切にし、常に快適な空間を作るおもてなしの心で客人を迎える。
部屋の心地よさにこだわり、木の呼吸を妨げないよう、手間のかかる手入れをあえてする。丁寧に清掃した後、室内の空気を天然素材純度100%の聚楽(じゅらく)壁や珪藻土(けいそうど)壁で自然に浄化させる。身体が喜ぶ本物のくつろぎをテーマにした客室は、五感が呼び覚まされるような新鮮さが漂う町家の奥の美空間だ。京都の日常の中にある非日常を味わうことが出来る宿は、京都で過ごす余暇をより深く充実のひと時にする。
●日月荘 京都府京都市中京区高倉通竹屋町下ル福屋町716 TEL075-211-3100(10時~17時)
「日月荘」の名は、「壺中日月長(こちゅうじつげつながし)」という、壺(つぼ)の中のような狭い場所でも、悠々と平和な時間が流れ、快適に過ごせるとの中国の故事からつけられた。周辺は、かつての摂関家藤原氏の所有地であり、日月荘は四条で栄えた呉服商の居宅を改修したものだ。そのため、町家の形態は商家に多い高塀に囲まれた大塀(だいへい)造り。坪庭の向こうに本格的な茶室のある母家の風情を眺める離れが客室だ。
茶室の露地やにじり口には、和の美意識が集結している。茶の湯というと、作法のイメージが先行してしまうが、本来は客人を招き季節感と新鮮な驚きのアレンジで客人をもてなす粋なおもてなし文化。日月荘は茶の湯の精神を大切にし、常に快適な空間を作るおもてなしの心で客人を迎える。
部屋の心地よさにこだわり、木の呼吸を妨げないよう、手間のかかる手入れをあえてする。丁寧に清掃した後、室内の空気を天然素材純度100%の聚楽(じゅらく)壁や珪藻土(けいそうど)壁で自然に浄化させる。身体が喜ぶ本物のくつろぎをテーマにした客室は、五感が呼び覚まされるような新鮮さが漂う町家の奥の美空間だ。京都の日常の中にある非日常を味わうことが出来る宿は、京都で過ごす余暇をより深く充実のひと時にする。
●日月荘 京都府京都市中京区高倉通竹屋町下ル福屋町716 TEL075-211-3100(10時~17時)
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