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1.足が赤いの特徴の足赤海老。下処理をしたら葛をしてゆでる。
2.ホワイトアスパラガスは、薄くスライスしてシャキシャキの食感に。
3.セリ科の防風は、茎の下部を針で4本にさき、イカリ防風にする。
4.胡麻を弱火で30分以上じっくりいる。
5.胡麻と水、吉野葛で練り上げた胡麻豆腐に、煎った胡麻。
6.クリアな味わいの胡麻豆腐は、胡麻油をひいて焼きコクを出す。
股の間に挟んだすり鉢の中の胡麻を山椒の木のすりこぎで初めてすったのは今から40年も前のことだが、今では東京のお客さまが、その香りを楽しんでくれている。
 思うに、基礎的な知識や仕事は常に普遍的であるのだ。胡麻の煎り方、葛の練り方しかり、出汁の取り方や葱の切り方さえも、こうあるべきという手本は先人が伝えているのだが、そういう地味な基本をないがしろにした結果に、本質を失う料理の何と多いことか。こう自戒も含め思い直す日々である。
「神は細部に宿る」とは、ドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエの言葉だが、この言葉を借りるまでもなく、ディテールをないがしろにして完結する作品などなく、逆にディテールの完成度を上げていくことこそが、料理の進化と呼ぶべきものなのではないだろうか。

●元麻布「かんだ」
東京都港区元麻布3-6-34 カーム元麻布1F TEL03-5786-0150
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