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防府のうまいもん、天神鱧
(左)防府でとれる天然の鱧。昔から、大きくて良質なものが獲れたという。この辺りは日本屈指の漁獲量を誇るも、その多くが関西方面に送られ、高い評価を得ている。
(右上)「ふぐ処 佐じか」では、鱧のフルコース「祇園コース」5400円を用意する。夜のみの営業だが、予約すれば同じものを昼にも食べることができる。そのほか鱧の単品料理を1000円から提供する。
(右下)もともとは製氷工場を営んでいたが、20年前にもともと料理が好きだった佐鹿さんが「ふぐ処 佐じか」に。長年、磨き上げた技術と経験でおいしい鱧料理を提供している。
ふぐ処 佐じか 山口県防府市八王子1-23-13 TEL0835-22-0193 sajika.jp
「鱧料理」といえば“京都が一番”と考えがちだが、昔から防府では鱧漁が盛んである。ここ防府では、鱧の漁獲量が全国トップクラス(山口県は鱧の水揚げ量全国第2位)を誇る。鱧がおいしい季節を迎える初夏から秋まで、産地ならではのいろいろな料理で堪能することができる。天然の鱧がたくさん獲れる防府には、ブランド鱧がいる。その名も「天神鱧」。もちろん、防府天満宮にちなんで名づけられた。この「天神鱧」と呼ばれるには、地元の天然ものであることと、市内の飲食店有志で開講した「はも塾」で技術を磨いた職人がいる店で提供される鱧料理のことを指す。多くのブランド魚は、大きさ、重さ、傷の有無などの基準があり、それをクリアしたものをブランド魚としているが、防府は違う。鱧には1200本以上もの小骨があり、おいしく食べるためには、“骨切り”をして、細かく切り目を入れる伝統の技が必要だ。まさに職人の腕によって味が左右される食材であるため、その職人が目利きした鱧で、しっかりした技を持つ人の手で料理された鱧料理が「天神鱧」となるわけだ。
 現在、市内13店舗の「はも塾」加盟店では、淡白な旨みの初夏から脂ののった奥深い旨みを持つ秋まで、“天神鱧”をいろいろな料理で楽しめる。天神鱧を供している「ふぐ処 佐じか」では、5400円から鱧づくし料理が味わえる。定番の湯引き鱧の梅肉和えはもちろん、刺し身、しゃぶしゃぶ(雑炊)、フライ、すし、内臓料理と、地元で新鮮なうち食べられる鱧だからこその料理がそろう。店主の佐鹿英武さんのおすすめは「鱧のフライ」だそう。とはいえ、身がくるっと丸まる鱧のしゃぶしゃぶも面白かった。天神鱧の豊かな旨みを存分に味わえる。
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