PAGE...1|2|3|4|5
九つの峰(九嶺)で囲まれていることから「呉」と名付けられたといわれる広島県呉市。天然の良港として知られた呉湾に、日本海軍の本拠地である呉鎮守府が置かれたのは1889(明治22)年である。入り組んだ地形が敵の侵入を防ぎ、豊かな水を持つことが選定の理由で、事前調査した海軍中将の肝付兼行(きもつきかねゆき)に「此呉湾ヲ除キテ他ニナシ」と言い切らせたほど好条件を備えていた。そして、日露戦争では日本最初の国産装甲艦を建造し、潜水艦技術の拠点となるなど、日本一の建艦技術を持つ軍港都市として発展したのである。
(上)かつて大型戦艦の建造や修理に使われた呉工廠造船部があった場所では、今も造船業が営まれている。戦艦「大和」もここで、周囲から姿を隠して秘密裏に建造された。(下)港には海上自衛隊呉警備部の護衛艦が連なる。呉地方隊は和歌山県から宮崎県までの1都1府12県(東京都沖ノ鳥島を含む)の陸・海域の防衛警備を担っている。
PAGE...1|2|3|4|5

記事カテゴリー