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甘鯛のサクラ蒸し
台湾にも桜は咲くが、日本のソメイヨシノを見に来る台湾人は年々増加している。感性の一致に親しみを感じる。
それを確信させてくれたのは台北のレストランで食べた蛤のスープだ。水と蛤と千切りの生姜のみのこのスープは、色も味わいも、あくまでも透明に澄み切っていて、その前に食べたアレやコレやのあと味を見事にぬぐい去ってくれた。
 スープは、中国語で「湯」と書き、「タン」と読むが、湯の味わいが淡であり、清であったことに驚き、この味わいを愛する台湾の方たちに、自分の椀を食べてもらいたいと感じたのである。
 台湾には、小籠包で有名なレストラン鼎泰豊(ディンタイフォン)があるが、ここのチキンスープ「鶏湯」も素晴らしい。これも鶏と水と生姜のみのシンプルな味わいながら滋味深く、何度食べても飽きない。
 実は今回の台湾フェアの最終日の朝、鼎泰豊のチキンスープの製作現場を訪問する機会をいただいた。詳しいレシピはさておき、厳密な原材料管理はもちろん、丁寧な手作業によるクオリティーコントロールには舌を巻いた。
「人件費が安いから」とオーナーは笑って言っていたが、スタッフ全員の昼寝時間を確保するなど労働環境を整備しつつ、台湾全土で1日約2万人が行列をなすクオリティーは賞賛に価する。
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