彼がフィレンツェに開業したのは、印刷アトリエ。これによりイタリアに初めてアングロサクソン人やゲルマン人の印刷技術が持ち込まれたことになる。彼の高い印刷技術により、レリーフや家紋、手描きのモノグラムなどとともに印刷する〝ラグジュアリープリンティング〞や、アート印刷、さらにファインペーパーの需要を生み出した。
1800年代に入ると、フィレンツェはヨーロッパ各国の富裕層の旅先として人気を博したため、この地でピナイダーを手に取った政治家、財界人や文化人が魅了された。当時の顧客の中には、ナポレオン1世を始めとする歴史的な人物が名を連ねている。
そして19世紀後半には、既存の紙製品に加え、高級筆記具を手がけるようになる。透かし加工が施され、コットン繊維を多く含有し、最上の手触りと書き心地を実現した、ファインペーパーに比肩するアイテムとして登場したのが万年筆である。その書き心地は、もちろん紙製品に負けない質の高さで、〝書くことが純粋な喜び〞として感じられるほどだ。
特許を取得したこの万年筆をイタリアの劇作家、小説家、詩人であるルイジ・ピランデルロ、ソプラノ歌手のマリア・カラス、女優のエリザベス・テイラー、イタリアの映画監督であり伯爵家出身のルキノ・ヴィスコンティ、ロシア出身のバレエダンサーのルドルフ・ヌレエフらが愛用したことにより、世界で広く知られるようになる。
1800年代に入ると、フィレンツェはヨーロッパ各国の富裕層の旅先として人気を博したため、この地でピナイダーを手に取った政治家、財界人や文化人が魅了された。当時の顧客の中には、ナポレオン1世を始めとする歴史的な人物が名を連ねている。
そして19世紀後半には、既存の紙製品に加え、高級筆記具を手がけるようになる。透かし加工が施され、コットン繊維を多く含有し、最上の手触りと書き心地を実現した、ファインペーパーに比肩するアイテムとして登場したのが万年筆である。その書き心地は、もちろん紙製品に負けない質の高さで、〝書くことが純粋な喜び〞として感じられるほどだ。
特許を取得したこの万年筆をイタリアの劇作家、小説家、詩人であるルイジ・ピランデルロ、ソプラノ歌手のマリア・カラス、女優のエリザベス・テイラー、イタリアの映画監督であり伯爵家出身のルキノ・ヴィスコンティ、ロシア出身のバレエダンサーのルドルフ・ヌレエフらが愛用したことにより、世界で広く知られるようになる。


(上)イタリアの職人の技を生かして、カード装飾の工程で手彫り加工をする希少なメーカーとしても知られる。19世紀には高級筆記具とレザーアイテムも発表し、時代のニーズに合った製品を提供している。(下)ファインペーパー発祥の高級筆記具ブランド、ピナイダーは、1774年にフィレンツェの中心街、当時のグランデュカ広場に開業した。