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アストロノミック・ブルー」2年に1度開催されるチャリティーオークション「オンリー・ウォッチ」に、今年11月、プロトタイプのまま出品予定。ミニッツリピーター、トゥールビヨン、12星座と連動した年次カレンダーなど、超複雑機構を搭載。



「私の父は、腕時計はアートの一部ではない、という考えを持っていました。しかし、私はそれには反対でした。病床にあった父に、完成した時計を手渡した時、大変喜んでくれたことが強く印象に残っています。父は間もなく帰らぬ人となりましたが、フランソワ・ポールが製作を急いでくれたことに感謝しています」
 16世紀に始まるジュネーブの時計製造の歴史は、キャビノチェと呼ばれた優れた技術者と、彼らを理解し庇護(ひご)した王侯貴族との関係性の中で成熟し、発展を遂げてきた。量産化とビジネスばかりが重視される現代のウォッチシーンで、そんな信頼関係はすっかり失われてしまったかに思われたが、ここに友情という形で残っていたとは。ジュルヌ氏とミューレー氏の間に醸成された深い絆。それが、次なるマスターピースを生み出す揺り籠となっている。
「次なるコラボモデルの企画もありますが、これはビジネスではなくライフワーク。求める素材が見つかった時に、納得のいくクオリティーで作れればいいのです」
 この悠として迫らざるスタンスが、天才の創造性を後押ししている。
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