
ジュネーブ市内にあるマニュファクチュールのエントランス・ショールームにて。不動産会社オーナーでアートコレクターでもある親友のステファン・バルビエ・ミューレー氏を、フランソワ‐ポール・ジュルヌ氏は作業着を羽織ったままの気の置けない姿で出迎えた。二人の親交は13年に及ぶ。
キャビノチェと貴族のような友情が育むマスターピース
その夕刻、ジュネーブの市街地に位置するF.P.ジュルヌのマニュファクチュールに一人の紳士が姿を見せた。
その名をステファン・バルビエ・ミューレーという。ベントから深紅の裏地がのぞく粋な仕立てのスーツに、スポーティーなスニーカーを合わせた着こなしが、この人物の洗練されたライフスタイルをうかがわせた。彼の母方の祖父、ヨーゼフ・ミューレー氏は、アートコレクターとして世界的に名を馳(は)せた人物。父、ジャン-ポール・バルビエ・ミューレー氏は、不動産ビジネスで成功を収める一方、義父ヨーゼフ氏に共鳴し、アートコレクション、とりわけアフリカ、オセアニア、アジアなどのプリミティブ・アートに力を注ぎ、7000を超える彫刻、マスク、テキスタイルなどを蒐集(しゅうしゅう)。これらの作品は、1977年に開設されたジュネーブのバルビエ・ミューレー・ミュージアムに収蔵されている。
ちなみに、2007年にヴァシュロン・コンスタンタンが、プリミティブ・アートのマスクをモチーフにした工芸性の高い4本セットのコフレを世界限定25セットで販売したが、このマスクはバルビエ・ミューレー・ミュージアムの収蔵品だった。
現在もミューレーファミリーは、ジュネーブの不動産の多くを所有する一方、アート後援者としての活動を展開。ミューレー氏は、18世紀のフランス絵画のコレクションを進める一方、ロシアン・アートの歴史にも造詣(ぞうけい)が深い。そんなミューレー氏が、ジュルヌ氏と親交を結んだのは2006年からだという。
ちなみに、2007年にヴァシュロン・コンスタンタンが、プリミティブ・アートのマスクをモチーフにした工芸性の高い4本セットのコフレを世界限定25セットで販売したが、このマスクはバルビエ・ミューレー・ミュージアムの収蔵品だった。
現在もミューレーファミリーは、ジュネーブの不動産の多くを所有する一方、アート後援者としての活動を展開。ミューレー氏は、18世紀のフランス絵画のコレクションを進める一方、ロシアン・アートの歴史にも造詣(ぞうけい)が深い。そんなミューレー氏が、ジュルヌ氏と親交を結んだのは2006年からだという。