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栃木県那須塩原市の那須連山のふもと、約30万㎡(東京ドーム約6.5個分)もの広い敷地を有する地方競馬教養センター。普段はこの1周1100mの競走路で、地方競馬でデビューを目指す騎手の卵が日々訓練に励んでいる。
地方から日本を元気に
オッズパーク
Photo TONY TANIUCHI Text Junko Chiba
亀和田 武氏の競馬の楽しみ方は「競馬場に行く」ことが基本。
「旅行を兼ねて」と“遠出”もいとわず、北海道から九州まで日本全国の地方競馬場と牧場に通う。
一方で、地方競馬を盛り上げる一つの因子となりうるインターネット投票にも興味津々だ。
そんな亀和田氏と、インターネットを通して地方競馬、競輪、オートレースの投票券を販売するオッズ・パークの最高執行責任者・宮下直之氏との「地方競馬対談」をお届けしよう。
「一昔前にオグリキャップ、その少し前にハイセイコーが活躍した時に競馬をやっていたけど、仕事が忙しくなって離れてしまった方がけっこういらっしゃる」という宮下氏の言葉を受けて、「そこなんですよ」と身を乗り出す亀和田氏。ここから地方競馬の魅力をめぐる話が始まった。


小さな器からドラマが生まれる

亀和田 2頭とも地方競馬から出たんですよね。彼らがここ40年で2度の競馬のハイブームを牽引した。特にオグリキャップは木曽川沿いの小さな町の笠松競馬場から出た、そのこと自体が日本人の胸をぐっとつかむ物語でした。
宮下 そういうドラマ性が、地方競馬の大きな魅力の一つでしょうね。
亀和田 ああいう馬がまた地方競馬から出て欲しいと、心底願ってます。
宮下 その意味では、去年引退したラブミーチャンとか、競馬界を盛り上げる馬が今後も出てほしいです。
亀和田 笠松に在籍したまま、日本中の地方競馬場で活躍した強い女の子ですね。馬主がDr.コパさんで、彼は中央だけでなく全国の地方競馬場に馬を持っている。馬が好きで、地方競馬場を回るのも好きで、熱心に応援してくれていますね。
宮下 本当にそうですね。多くの方に地方競馬に関心を持ってもらい、応援していただけるとうれしいです。他に地方競馬の魅力というと?
亀和田 器自体が小さいところかな。巨大なモニタースクリーンとか双眼鏡がなくても、自分の肉眼でレースの模様がちゃんと見える。パドックでは、馬の顔つきから体の隅々まで見られる。くしくも大先輩の作家、山口瞳さんがintimateを「インチミット」と表記した、あの親密な感じが好きです。お客さんもみんな顔見知りで、競馬場が地方都市の一つの社交場になっているのもいい。「○○ちゃん、どうしてる?」「今日はオートレースだよ」なんて会話があって、インチミットなんです。
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