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蛤と菜の花の粕汁
出汁と水を半々にして蛤を煮る。酒粕は味噌を加え、やはり水でのばす。日本料理では水もれっきとした調味料だ。
椀味不只淡
Photo Masahiro Goda 
文・神田裕行(元麻布「かんだ」店主)
神田裕行の椀五十選 第22回
 昨年、縁あって鳴門のワカメと三陸のワカメの両方を視察させていただいた。「鳴門わかめ」の伝統手法であった「灰干し」は、 2000(平成12)年のダイオキシン対策法施行以来、事実上廃止となったが、灰の代わりに活性炭を使う業者さんがいるということで訪ねた。地元びいきではなく本当に 素晴らしいワカメだった。目の覚めるような鮮やかなグリーンで香りは今まで海にいたかのよう、歯触りはシャキシャキながら、喉越しにとろんとした粘りも感じる。「さすがは鳴門わかめ!」と快哉を叫んだ。
 2カ月後に三陸を訪ねたが、「塩蔵わかめ」を幾度試してもコレだ!というものに出合えず、諦めかけてやはり灰干しには勝てないのかと思いもしたが、市場のおばちゃんの「お湯で戻したら、いいという人がいる」の一言で状況が変わった。
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