

時代の肉・あか毛和牛
神内ファーム21
神内ファーム21
Photo Masahiro Goda Text Rie Nakajima
今、食の世界できら星のごとく注目される肉がある。放牧肥育で健康的に育てられた、脂肪が少なく、肉本来の繊細なうまみを備えた「あか毛和牛」だ。中でも北海道に広大な放牧場を持つ神内ファーム 21 の極上のあか毛和牛は、希少性の高い良質な肉と言える。これまでネット販売が中心だったが、東京のレストランでも味わえるようになった。あか牛本来の肉のうまみを生かす料理を供してくれる極上の 2 店を紹介する。
ANTICA OSTERIA DEL PONTE
神内和牛あかのヒレ肉のステーキ 季節の野菜添え
ハーブと赤ワインを加えたバターが、肉の熱でとろける。あか牛ならではの味わいをシンプルに引き立てる一品。
日本では長い間、牛肉といえばなるべくたくさんサシの入った、口の中で脂がとろける黒毛和牛が最高とされていた。しかし近年、牛肉業界で注目を集め、黒毛神話を崩しつつあるのが、褐色の毛を持つあか毛和牛だ。放牧肥育されたあか牛は、脂肪が少なく、赤身そのものの繊細なうまみとシコシコとした歯応えを持つ。とはいえ、あか牛の飼育頭数は全国でも黒毛 185 万頭に対して、わずか 2 万 4500 頭。その希少性から、これまで一般に目にすることは少なかったが、東京でもようやく極上のあか毛和牛が味わえるレストランが増えてきた。