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(左)オープニング個展として蜷川実花の「Light of」が12月3日まで開催された。「暗闇の中での光」という視覚的な鮮やかさとともに、一瞬の美しさを目と心に焼き付けようという人間の衝動が、強く印象づけられる。(右)木製の扉やその下の煉瓦(れんが)が、小山登美夫ギャラリーらしい温かみを感じさせる。手前の展示室の天井がRになっているのも特徴的だ。内装設計は今注目を集める若手建築家のムトカ建築事務所。
小山登美夫のやわらかいまなざし
小山登美夫ギャラリー
小山登美夫ギャラリーは、1996年の開廊以来20年間にわたり日本の現代アートを牽引(けんいん)し、また海外のアーティストを日本に紹介してきた存在。前述のシュウゴアーツも構えていた清澄白河のビルの閉館にともない北参道に移転し、そして今回complex665の2階に移って、新たなスペースをオープンしたのである。
 小山登美夫ギャラリーの扱う作品は、どこか皆、温かみが感じられる。それでいて異次元の気配がしたり、あるいは生々しいパワーを秘めている。そうしたギャラリーとしての個性が、今回オープンした新空間にも反映されている。入り口の扉は木製で、また壁の色も部屋によっては真っ白ではなくアイボリーがかったもの。楽しさ、温かさが随所に感じられるギャラリーの空間は、訪れる多くの人から「小山さんらしい」と評されているという。
 complex665で新スタートをきるにあたってオープニングを飾ったのは、蜷川実花(にながわみか)の個展、「Light of」。花火や野外フェスで撮影された作品は、暗闇の中できらめく光の鮮烈さをとらえたもの。その場にいる人たちが光を求め、光が輝く刹那(せつな) に気持ちを添わせる心情をもうかがい知れる作品群である。
 この蜷川実花のほか、小山登美夫ギャラリーでは杉戸洋(ひろし)、工藤麻紀子(まきこ)など、今、注目の作家も展開。2017年2月4日まではアルゼンチン出身の女性作家、ヴァルダ・カイヴァーノの個展を開催している。

●小山登美夫ギャラリー TEL03-6434-7225 tomiokoyamagallery.com
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