

(左)海水に浸した縄を巻き付けて蒸し上げた「活蟹のしめ縄蒸し」は、伝統の文献をもとに編み出したオリジナル料理。蟹の旨みを存分に味わえる。(右)山代温泉の中心が、明治時代の総湯を復元した「古総湯」。「界 加賀」は、古総湯に面した宿だ。夜は、紅殻格子越しのあかりが、よい風情を醸す。
山代温泉で蟹に出合う
界 加賀
界 加賀
1300年の歴史を刻む、石川県加賀市山代温泉。共同浴場の総湯を旅館が囲むようにして形成された街区「湯(ゆ)の曲輪(がわ)」を中心に発展してきた。その湯の曲輪に面し、多くの文化人を迎えてきた、1624年創業の老舗温泉旅館が、「界 加賀」として2015年12月リニューアルオープンした。
由緒ある伝統建築棟は残しつつ、紅殻格子や赤壁などの意匠を復元。伝統棟としっくり融合するように、8階建ての客室棟が新築された。庭も、歴史ある茶室を残しつつ、九谷焼タイルを取り入れた新しい庭に。ギャラリーに、宿に伝わる、山代温泉ゆかりの美食家にして陶芸家の北大路魯山人(きたおおじろさんじん)作の器を展示しているのも興味深い。
料理も魯山人の料理哲学にならい、地元の九谷焼作家に制作を依頼した数々の器に盛られて登場する。中でも、現在の九谷焼を代表する作陶家の一人、山本長佐(ちょうざ)氏作の大皿に盛られて供される、「活蟹のしめ縄蒸し」は絶品だ。冬の加賀は、蟹のシーズンだが、ここでは他の宿では味わうことのできない、ひと手間かけた蟹を堪能したい。
「界 鬼怒川」と同様に、全ての客室がご当地部屋の仕様。加賀水引や加賀友禅などの意匠が取り入れられていて、滞在していながら加賀の伝統工芸美に親しめる。ここ「界 加賀」での“ご当地楽"は、伝統の加賀獅子舞である。
加賀の伝統の中に現代の感性が息づく、新しい温泉旅館だ。
●界 加賀
石川県加賀市山代温泉18-47
kai-kaga.jp
由緒ある伝統建築棟は残しつつ、紅殻格子や赤壁などの意匠を復元。伝統棟としっくり融合するように、8階建ての客室棟が新築された。庭も、歴史ある茶室を残しつつ、九谷焼タイルを取り入れた新しい庭に。ギャラリーに、宿に伝わる、山代温泉ゆかりの美食家にして陶芸家の北大路魯山人(きたおおじろさんじん)作の器を展示しているのも興味深い。
料理も魯山人の料理哲学にならい、地元の九谷焼作家に制作を依頼した数々の器に盛られて登場する。中でも、現在の九谷焼を代表する作陶家の一人、山本長佐(ちょうざ)氏作の大皿に盛られて供される、「活蟹のしめ縄蒸し」は絶品だ。冬の加賀は、蟹のシーズンだが、ここでは他の宿では味わうことのできない、ひと手間かけた蟹を堪能したい。
「界 鬼怒川」と同様に、全ての客室がご当地部屋の仕様。加賀水引や加賀友禅などの意匠が取り入れられていて、滞在していながら加賀の伝統工芸美に親しめる。ここ「界 加賀」での“ご当地楽"は、伝統の加賀獅子舞である。
加賀の伝統の中に現代の感性が息づく、新しい温泉旅館だ。
●界 加賀
石川県加賀市山代温泉18-47
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