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パティスリー・サダハル・アオキ・パリ
一世を風靡してこそ

Photo TONY TANIUCHI Text Rie Nakajima

パリの店が大人気となり、フランス最優秀パティシエ賞など数々の賞を受賞。フランストップ5ショコラティエにも選ばれ、華々しく日本に逆輸入されてきた。そんな自身の境遇について、青木定治氏はこう語る。
「難しいことは考えていないんです。22年前、ただフランス菓子の中心にいたくて渡仏して、それ以来ずっと、商売よりも自分でやっていて面白いと思うことをやり続けてきました。たまたまそれが良い方に回って、今日に至っているだけです」
 きっかけは、フランス料理の店に修業に入るはずが、定員が空くまで、と叔母の紹介で青山のケーキ店「シャンドン」に入ったこと。先輩は、フランスで菓子の修業をした人ばかりだった。
「ずっとモトクロスをやっていたのですが、ちょうどその頃、フランス人がモトクロスの世界大会で優勝したこともあり、もうフランスに行くしかないと(笑)」
 昔から「一番」にしか興味がなかった。一番の人が何を考えているか、どうすれば一番の人に近づけるかということばかり考えていたという。「一流は皆、自分の得意なことを伸ばそうとしている」と青木氏。だから、自分だけの個性を伸ばそうと努力した。
「フランス菓子は武道みたいなもので、基礎がないのに小手先でごまかした“なんちゃって"は通用しない。さらに、フランス人はコピーを嫌うので、それをやった瞬間に終わりです。自分のやりたいことを探して、誰もやっていないアプローチで突き進む。ずっとこれを繰り返して、ようやく一流の人たちと仲良くできるようになりました」
青木定治(あおき・さだはる)
1968年東京都生まれ。1991年単身で渡仏。2001年33歳でパリ6区に「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」1号店を出店後、4店舗を出し、パリの人々を魅了している。日本では東京・丸の内などに5店を展開中。現在、世界で最も注目されるパティシエの一人である。
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