世界の贅沢、NILEの贅沢

クロ・デュ・メニルは、小さな畑で単一年に収穫されたブドウでつくる希少なシャンパーニュで、繊細かつ芳醇な味わい、グリーンな風味が特徴。昆布で締めて旨みが凝縮した若狭ぐじ、昆布のほのかな青い香りと好相性だ。

クリュッグがつくるシャンパーニュの魅力は、品質と個性を追求するという哲学が反映した、繊細にして心を打つ味わいにある。畑ごと、さらにその畑の区画で異なるブドウの性質を見抜き、それらを技術者の感覚で精せい緻ち にまとめあげてつくられるシャンパーニュは、温かみと洗練を兼ね備えた、芳ほう醇じゅんで高貴なインパクトを持つ。繊細、かつ確固とした個性を持つクリュッグのシャンパーニュは、世界中で愛されている。
　元麻布 かんだの神田裕行も、クリュッグのシャンパーニュを愛する“クリュッグラバー"の一人だ。日本料理の骨格を守りながら、いきいきとした現代性を取り入れた料理を作る神田は、日本料理とワインの相性をさぐる試みを若い頃から続けてきた。長い試みの中で強く引かれ、かつ日本料理の繊細な風味を高めるワインとして特に印象に残っているのが、クリュッグのシャンパーニュなのだという。
「クリュッグのシャンパーニュは、非常にリッチでありながら繊細でさわやか。後味に不要な濃さや重さがない。そこが日本料理に合うのです」
　今回は神田に、御食国・若狭を代表する食材である若狭ぐじを用い、クリュッグとグジの旨さが伝わる料理を作ってもらった。１品目は、若狭ぐじの昆布締めとクロ・デュ・メニルの組み合わせ。グジは、水分が多く柔らかい身質のため、昆布締めにして適度に水分を抜いて引き締め、旨みを凝縮させるともに、昆布の風味をまとわせる。さばいた身は、昆布で締める前に、皮の面に熱湯をかけて軽く火を入れるのがポイントだ。これで皮独特のにおいが落ち、身の繊細な風味が引き立つ。組み合わせたクロ・デュ・メニルは、メニル・シュール・オジェ村にある小さな畑で、単一年に収穫されたシャルドネを用いる希少なシャンパーニュ。精巧で繊細な味わいが特徴で、熱烈なファンも多い。神田も、「一番好きなシャンパーニュ」だという。

ブレンドにより、豊かな奥行きをつくり出しているグランド・キュヴェ。そのナッティさに合わせ、若狭ぐじのウロコを立てて香ばしく姿焼き（若狭焼き）にした。一番搾りの菜種油をかけて焼き、コクを加えカラリと軽やかに。