
床から天井までの大きな窓が中庭に向いているため、プライベート感を確保しつつ、明るく開放的な暮らしができる。

中庭が生み出す風景
Text Rie Nakajima
中庭に向いて開かれた、家族を緩やかにつなぐ住まい。常にお互いの気配を感じつつ、それぞれの時間も大切にする、絶妙な距離感――。
kobori研築工房の企業建築家が創り出すのは、そんな開放的でありながらも落ち着きを感じられる、独創的な住まいだ。
kobori研築工房の企業建築家が創り出すのは、そんな開放的でありながらも落ち着きを感じられる、独創的な住まいだ。
住まいづくりにおいて、土地との出会いは運命のようなものだ。周辺環境や眺望、日当たり、風の流れ。施主やその家族にとって、すべての条件がそろい、「ここだ」と思える土地はふたつとないのである。だが、そんな、ただ一つの土地であっても、必ずしも住まいを建てやすい土地であるとは限らない。そこで必要となるのが、不可能を可能に変える、設計者との運命的な出会いである。
閑静な住宅街の一角にありながら、三方を道路に囲まれ、南側に敷地を見下ろす大きなマンションが立つ土地を購入したT氏。住まいづくりのパートナーを探す中で巡り合ったのが、60年以上にわたり注文住宅を手がけてきたKobori研築工房の企業建築家・中村 晃氏である。
中村氏が提案したのは、南側を背にしてマンションからの視線を遮りつつ、中庭に向けて開かれた変形コの字の住まい。LDKは敷地の西側に位置し、東面の窓と中庭からの間接光で終日安定した明るさを確保できるようにしている。建物を北側に寄せ、南に開口部をとる通常のセオリーからは大きくはずれる、独創的な設計といえる。一つとして同じもののない土地の条件に合わせ、施主の要望をていねいにくみ取りながら創り上げていく、企業建築家ならではの住まいだ。
全体は、長方形の三つの棟を組み合わせたシンプルな構成。LDKのある西側と浴室など水回りのある南側の2棟が平屋で、北の棟だけが2階建てとなっている。北の棟の1階には、中庭に面した親子のスタディーコーナーを設け、2階には寝室と子ども部屋を配置。住まいのどこにいても家族の気配が感じられつつ、中庭に面した間仕切り戸やロールスクリーンを開け閉めすることで、個室のプライバシーを保つことができる。生活シーンの変化に合わせて、家族の距離感をコントロールできる、絶妙な設計である。
●kobori 研築工房(ヤマダ・エスバイエルホーム)
0120-58-5501
閑静な住宅街の一角にありながら、三方を道路に囲まれ、南側に敷地を見下ろす大きなマンションが立つ土地を購入したT氏。住まいづくりのパートナーを探す中で巡り合ったのが、60年以上にわたり注文住宅を手がけてきたKobori研築工房の企業建築家・中村 晃氏である。
中村氏が提案したのは、南側を背にしてマンションからの視線を遮りつつ、中庭に向けて開かれた変形コの字の住まい。LDKは敷地の西側に位置し、東面の窓と中庭からの間接光で終日安定した明るさを確保できるようにしている。建物を北側に寄せ、南に開口部をとる通常のセオリーからは大きくはずれる、独創的な設計といえる。一つとして同じもののない土地の条件に合わせ、施主の要望をていねいにくみ取りながら創り上げていく、企業建築家ならではの住まいだ。
全体は、長方形の三つの棟を組み合わせたシンプルな構成。LDKのある西側と浴室など水回りのある南側の2棟が平屋で、北の棟だけが2階建てとなっている。北の棟の1階には、中庭に面した親子のスタディーコーナーを設け、2階には寝室と子ども部屋を配置。住まいのどこにいても家族の気配が感じられつつ、中庭に面した間仕切り戸やロールスクリーンを開け閉めすることで、個室のプライバシーを保つことができる。生活シーンの変化に合わせて、家族の距離感をコントロールできる、絶妙な設計である。
●kobori 研築工房(ヤマダ・エスバイエルホーム)


