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ルカス・クラーナハ(父) ≪不釣り合いなカップル≫ 1530~40年ごろ ウィーン美術史美術館 ⒸKHM-Museumsverband.
こうしたクラーナハの絵画群は、同時代の王侯貴族や有力市民たちの目を喜ばせ、惑わせただけでなく、遠く時空を超えて、未来の観客たちの視線をも引きつけていった――特に、パブロ・ピカソのような20世紀の前衛アーティストたちを。ピカソはしばしば、ベラスケスやマネを始めとする過去の芸術家の作品を模倣していたが、それらと並んで、クラーナハの絵に夢中だった。彼は、本展に出品される《ザクセン公女マリア》の肖像画(リヨン美術館)のポストカードをアトリエに飾るなど、クラーナハの女性像に強烈な興味を抱いていたのである。
 そしてピカソは、クラーナハが描いたヴィーナスやその他の女たちの姿を、おそらくはエロチックな衝動とともになぞり、描き替えていった。そこには、ピカソの目を通じて誇張された、クラーナハの絵の欲望が浮かび上がる。
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