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(左)広島県竹林寺に創建され大正14年に藤田男爵邸(現ホテル椿山荘東京)に移築された三重塔。平成23年には修復も施しており、敷地内の景観の核となっている。(右)幽翠池の向いからは、伊藤若冲の下絵をもとに造られた羅漢石が顔を出している。京都南郊伏見の石峰寺に在ったものを移設。
かつて、椿山荘の庭園の地形や自然環境と故郷である萩の風景を重ねて見ていた人物がいる。それは、第3代と第9代内閣総理大臣を務めた山縣有朋だ。山縣は、明治11年に私財を投じてこの目白の台地を入手し、自分の屋敷として椿山荘と命名した。思い出に残る“原風景"を再現するため築庭に力を注いだ。そして、名園をありのままに保存することを条件に、関西財界で主導的地位を占めた藤田組の二代当主・藤田平太郎男爵が、山縣からこの椿山荘を譲り受け、三重塔をはじめ数々の史跡を随所に設置して椿山荘の風情を高めていった。その後戦災で大半が焼失したが、藤田観光創業者の小川栄一が、一度荒んだ名園を、約5年の月日をかけ再生し、現在のホテル椿山荘東京の庭園へと続いてきた。
 多くの人に愛され守られてきた庭園にも冬が来る。空気が澄んで、朝方には富士山が見えることもあるという。雪が降り積もった情景は水墨画のような情景を醸し出す。また、年が明けると椿が咲き始め、早咲きの桜がつぼみを持ち、やがて咲き誇る(見頃は4月中旬まで続く)。この冬は日本の庭園で和文化を楽しむのはいかがだろうか。

●ホテル椿山荘東京 東京都文京区関口2-10-8 TEL03-3943-0996(宿泊予約直通 9:00~20:00)


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