

(左)十返舎一九作・勝川春英画「妖怪一年草」1808(文化5)年/東北大学附属図書館蔵 ※会期中頁替あり (右)葛飾北斎「北斎漫画 十二編」1834(天保5)年/東京都江戸東京博物館蔵
二つ目は、浮世絵や草双紙で盛んに描かれたこと。妖怪たちは新たな物語の中でさらに種類を増やし、庶民により親しまれる存在になっていった。その中で「ろくろ首が妖怪のボス的存在にのし上がった」そうだ。ちなみにパリで開催された妖怪展でも、ろくろ首は大変な人気者。妖怪界の国際的スターなのである。 絵師としては喜多川歌麿、歌川国芳、歌川豊国、葛飾北斎、高井鴻山(こうざん)、勝川春英ら、そうそうたる顔ぶれが妖怪画に“参戦"している。また、今をときめく伊藤若冲や、戯画の鬼才・河鍋暁斎など、妖怪に創作意欲を刺激された絵師も多い。

伊藤若冲「付喪神図」(部分) 18世紀(江戸時代)/福岡市博物館蔵 ※東京会場前期7月15日~31日、大阪会場前期9月10日~10月10日展示