世界の贅沢、NILEの贅沢

複雑に重なりあう深い味わい

スコットランドの全域には、多くの蒸留所が点在する。しかも、それぞれの蒸留所で造られるウイスキーは、地域の気候や土壌、水などによって多種多様にして強烈な個性を有する。例えば山々の険しい自然に囲まれた北部のハイランド地方は力強く華やかな香りを特徴とし、シングルモルトの蒸留所の半数が集中するスペイサイド地方は芳醇でエレガント、切れのいい味わい。また、なだらかな草原の広がる南部のローランド地方では、滑らかでバランスの良いウイスキーが生まれ、西の淡路島くらいの小さな島・アイラ島の海辺に立つ蒸留所では「潮の香り」と表現されるウイスキーが造られる。
　ジョニーウォーカーはスコットランド中から多種多彩なウイスキー、つまりモルトウイスキー、グレインウイスキーの極上の樽を余すところなく集めている。その原酒は約700万樽！　しかも一樽、一樽について、どこの蒸留所でいつ仕込まれ、どんな樽によってどのくらい熟成したか、そのモルトは現在どういう状態か、全て把握している。その上で、それらの原酒をブレンディングすることによって、個性が主張し合う、無限に深みのある風味を生み出しているのだ。
　トフィ、スモーキー、ナッツ、アップル、洋ナシ、オレンジ、チェリー、ドライフルーツ、バニラ、メープル……多彩に表現される香りと味わいへのジョニーウォーカーのこだわりは、複雑なフレーバーを幾重にも重ね合わせることにあるわけだ。