世界の贅沢、NILEの贅沢

函館の海に癒やされる温泉宿
しおさい亭別館　花月

Text Mayumi Sakamoto

それはミシュラン三ツ星が与えられた輝かしい眺望。世界の人々をも魅了する函館の夜景である。絶景ポイントは函館山にあり、そこから見る夜景が美しいのは、眺めるのにちょうどいい高さや距離にあるから。
　半島の両側に海があり、くびれのようなカーブに沿って市街地の明かりが瞬いている。漆黒の海とのコントラストが絶妙で、函館山から見て、向かって右が津軽海峡、左が函館湾。市街地の両側に海があるという地形が函館の夜景を特別なものにしている。
　函館の奥座敷、湯の川温泉にある「しおさい亭別館　花月(はなつき)」も、目の前に海が広がる温泉宿である。館内に一歩足を踏み入れると、ロビーの奥、ガラスの向こうに大海原が広がっている。全20室の客室もすべてオーシャンビュー。海を目の前にする露天風呂も設えられ、海を満喫するためのプライベート空間が創出されている。夏から秋にかけて津軽海峡で真イカ漁が行われると、漁火 がゆらゆらと夜の海を照らす。幻想的な海の景色、波音に癒やされながらゆったりと湯浴みを楽しめる。