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東京大学大学院 情報学環
ダイワユビキタス学術研究館
東京大学の春日門の脇に立つ、情報学環のための新しい研究、教育、情報発信を目的とする建築物。この建築物自体をゲートとして、都市と大学とを結ぶ孔(あな)とした。また西側の旧前田家の日本庭園に対しても、大きな孔をあけてキャンパスと庭園との間に新しい関係性を創造している。
建築が街、人、風景までもをつなぐということ
明治の情緒が残る本郷から春日門をくぐると、ゲートの役割もあるダイワユビキタス研究館に迎えられる。地上3階建て、周辺の樹木と並んでほどよく調和し、リズミカルな杉板のファサードが楽しい。
 研究棟の隣には、プラザを挟んで庭園を一望できる和風カフェ。キャンパスにあって、ここは町、庭園、樹木、そして、サイバースペースが一つのコミュニティーのように、ごく自然に共存している。
 この建築、IT、自然が融合した新しい空間で、優秀な人材が多くを学ぶのだろう。だが、ここで知識や技術だけでなく、学びやとしてふさわしい建物に身を置くことで育まれてゆくだろう、もっと大切なもの……。
 それは隈氏の著書『小さな建築』(岩波書店)で、以下のように記されている、全て物質で作られた自然の産物への情熱だろう。
 「何かを託される物質が建築と呼ばれるか塀と呼ばれるか、あるいは庭と呼ばれるかは大きな問題ではない……必要なのは物質に対する愛情の持続である」 
 隈氏の自然な建築、それは人までも含む自然への愛情にほかならない。
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