
森舞台/宮城県登米町伝統芸能伝承館
登米町には藩制時代から伝わるという「登米能」を始め、伝統芸能が今も受け継がれている。屋外に舞台と見所の2棟という明治時代以前の、自然の中で能を楽しむスタイルをとった。登米玄昌石(げんしょうせき)ぶきの屋根やヒバの柱など地元の材料にこだわった。こうした東北での仕事がテクスチャーを学ぶきっかけとなった。
ⒸMitsumasa Fujitsuka
登米町には藩制時代から伝わるという「登米能」を始め、伝統芸能が今も受け継がれている。屋外に舞台と見所の2棟という明治時代以前の、自然の中で能を楽しむスタイルをとった。登米玄昌石(げんしょうせき)ぶきの屋根やヒバの柱など地元の材料にこだわった。こうした東北での仕事がテクスチャーを学ぶきっかけとなった。
ⒸMitsumasa Fujitsuka
その基本は衣食住の場である住居。優れた日本の住文化を見直して、日本人の様式を構築できればいいと考えています。日本も20年ほど前から少しずつ景観について関心が払われるようになりましたが、政府はなかなかそのための予算を取ってくれない。ヨーロッパでは半世紀以上前から、景観のための政策がしっかり推進されていました」
残念なのは、日本では多くの地方都市の人々が、地元の持つ個性や魅力に気付かず、自信を持っていないことだという。
「結果、都心にあるショッピングモールなどをそのまま、コピー&ペーストして建ててしまう。中央政府ももっと地方に目を向けるべきでしょう。現在、マルセイユの地域現代美術館を建設中ですが、フランスでは政府が地方の活性化に、力を入れているのがよく分かります。資金面だけでなく、中央政府の要人が地方の現場まで出向いてくる。建物だけでなく、そこで地元の芸術家を育てる工夫などもしています。ハードだけでなく、文化や生活などソフト面も合わせて支援しているわけです」
フランスの地方はもちろん、首都パリも魅力あふれる美しい町だ。最初の海外のコンペがパリであったことから、ここに15年ほど前に分室を設けた。
「パリは町のビジュアルの美しさだけでなく、機能性も複合性も優れ、奥が深い。ヒューマンサイズに造られ、とても暮らしやすい町です」
現在、プロジェクトの6割が海外のものだという。毎月のように世界各地でプロジェクトが着工しており、個人設計事務所としては日本で最大規模、最も忙しいといえるだろう。
残念なのは、日本では多くの地方都市の人々が、地元の持つ個性や魅力に気付かず、自信を持っていないことだという。
「結果、都心にあるショッピングモールなどをそのまま、コピー&ペーストして建ててしまう。中央政府ももっと地方に目を向けるべきでしょう。現在、マルセイユの地域現代美術館を建設中ですが、フランスでは政府が地方の活性化に、力を入れているのがよく分かります。資金面だけでなく、中央政府の要人が地方の現場まで出向いてくる。建物だけでなく、そこで地元の芸術家を育てる工夫などもしています。ハードだけでなく、文化や生活などソフト面も合わせて支援しているわけです」
フランスの地方はもちろん、首都パリも魅力あふれる美しい町だ。最初の海外のコンペがパリであったことから、ここに15年ほど前に分室を設けた。
「パリは町のビジュアルの美しさだけでなく、機能性も複合性も優れ、奥が深い。ヒューマンサイズに造られ、とても暮らしやすい町です」
現在、プロジェクトの6割が海外のものだという。毎月のように世界各地でプロジェクトが着工しており、個人設計事務所としては日本で最大規模、最も忙しいといえるだろう。