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逆に、今回の新成長戦略が市場の支持を十分に得る内容であったなら、今後の上値余地は大きく広がってくる可能性もあろう。これまで本欄でも述べてきたように、年初からの日本株の値動きは「適当かつ必要な調整」であり、いずれは底入れから大きく反転・上昇するタイミングが訪れると見られていた。まさに今、そのときが到来するのか否か、楽しみに政府の出方を見定めたいところである。
 仮に、いよいよ調整一巡から大きく上値を伸ばしていく展開となるのであれば当然、その流れにうまく乗りたい。とはいえ「個別企業の研究にあまり時間や労力をかけるわけにもいかない」というのであれば、やはり日経平均株価の値動きそのものだけに注目し、それに連れて価格変動する金融商品を選択するのがいいだろう。
 候補の一つには「日経225先物取引」の10分の1の単位で取引できる「日経225min(i ミニ)」が挙げられるが、これはテコの原理(レバレッジ)を用いて投資家が差し入れた証拠金の数十倍の取引を可能にするもので、それなりに高い投資効果が期待できる反面リスクも高い。かといって、日経平均株価連動型の上場投資信託(ETF)では、たとえ1万5000円が1万6000円になったところで利益は約1000円であり「少々投資妙味に欠ける」と思われる向きもあろう。
 そこで今、日経平均株価の2倍の値動きをする「レバレッジ型ETF」に多くの個人投資家の注目が集まっているわけである。その代表格であり野村アセットマネジメントが設定・運用する「日経平均レバレッジ・インデックス連動型ETF(銘柄コード=1570)」の日々の値動きを一度チェックしてみるといいだろう。
(左)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。 www.e-minamiaoyama.com

(右)THIS MONTH RECOMMEND
危機は終われども課題は残る…
 著者の分析によると、2007年もしくは08年に始まった世界的経済危機は、もっぱら金融政策の力によって克服された。それは1930年代の世界大恐慌という経済危機ヘの対応によって培われた知恵が生かされたものと思われる。しかし、大恐慌後の回復の過程とは異なり、今回は危機が終わっても次の時代のビジョンとリーダーシップはますます不透明となっている。本書ではその謎を解明すると同時に、残された大きな課題が提示される。
『世界経済危機は終わった』(竹森俊平著/日本経済新聞出版社/1944円)
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