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(左)キャデラックの最上級セダンにふさわしい凛とした風格と美しさをたたえるCT6で、鳴門の島田島にあるホテルリッジに乗りつける。スタイリッシュなホテルの建物とCT6が美の競演を果たす。国立公園の中にたたずむホテルリッジは、わずか10部屋のみの“プライベートオアシス”とうたう大人のリゾートだ。
(中)ホテルリッジの大浴場のデッキからも、鳴門海峡や大鳴門橋を望める。地下1500mからくみ上げた単純泉は、とろみのある肌にやさしい温泉。長時間ゆったりつかれば、旅の疲れが一気に癒える。
●ホテルリッジ TEL088-688-1212 hotel-ridge.co.jp
(中)江戸時代には“歩き遍路の道”として、多くの人々が行き交った撫養街道沿いに立つ、四国八十八カ所第1番札所 霊山寺の本堂。天平年間に行基が開いた高野山真言宗の寺で、本尊は釈迦(しゃか)如来。無数の灯籠(とうろう)に明かりがともっていて、幻想的だ。また、本堂の奥殿に鎮座する秘仏の釈迦如来は空海作だという伝承がある。
(右)空海の足跡をたどる、四国八十八カ所霊場めぐりの全行程は約1400㎞、365里に及ぶ。いわゆる“お遍路”は、この霊場を札所番号の順に巡拝することだ。その1番札所である霊山寺の山門。20インチのホイールを履いた堂々たるキャデラックの最上級セダンCT6を前に置いてみると、“一番同士”の風格と品位を感じさせる。
 もう一つ、家政が整備したのが阿波の五街道。その一つの撫養街道は、撫養港から吉野川北岸を西走して、池田町で五街道の一つ伊予街道に交わる67・3㎞の道。江戸時代中期以降、四国八十八カ所を巡礼するお遍路さんは、まず撫養港に上陸し、撫養街道を歩いて第1番札所の霊山寺に向かった。そのため撫養街道は、“歩き遍路の道"として、また、阿波の名産である藍や葉たばこ、塩を撫養港まで運ぶ“商の道"として、人や物が激しく往来した。
 今は、静かでゆったりとしたたたずまいの、撫養の港や旧街道、そして小鳴門海峡。四国の玄関口、交通の要衝として在り続けた鳴門の、土地に刻まれた記憶をたどり、キャデラックCT6を走らせた。
 海のそばのドライブはいいものだ。一番いいのは、終点がないからかもしれない。山道はそのうち山の反対側に出てしまう。それに対して、周囲の景色が変わっていくのを眺めながら、クルマをどこまでも走らせていく感覚こそ、醍醐味(だいごみ)だと思う。
 今回、新しくなったキャデラックCT6で、淡路島から徳島の鳴門までドライブした時、サンフランシスコからハイウェー1という道を通って、ゴルフ場で知られるペブルビーチへと出かけたことを思い出していた。米国でCT6はひときわ存在感のあるモデルだ。キャデラックのセダンの最高峰であるばかりか、日本車とドイツ車とも違う、独自の個性を持ったエレガントさとスポーティーさをバランスさせたスタイリングが大きな理由の一つだろう。
 実は今回、行く先々でキャデラックが話題になったのである。
「今のキャデラックってこんな姿なんですね。スタイリッシュですねえ」
という意見が多かった気がする。
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