

(上)独自の存在感あるデザインを基本としながら、パフォーマンスの進化とともに肢体の美しさも磨き上げてきた。新しいGT-Rは強さと美しさの正比例を証明する。(下)究極の走りを追い求めると同時に、乗る人がリラックスできる質感と快適性を高めた室内。
どこまでも意のままに走る
NISSAN GT-R 2020年モデルは、大人のためのすばらしいスポーツカーだ。乗っての印象を一言で表現すると、万能選手、である。
3799ccの6気筒エンジンは軽くレッドゾーンまで回り、加速性能はロケットのようだ。ステアリングは微細な領域まで握る手に情報を伝えてくれるが、かといって神経質ではない。スーパースポーツカーの例にもれず、つまむように握っているだけで、望んだ通りのラインを走っていける。
ブレーキのフィールは、GT-Rの最大の魅力の一つといってもいい。サーキットは時速300キロからのフルブレーキングなどということもあるだけに、高速での安心感が違う。ドライバーの意思通りに減速し、かつ絶対的なストッピングパワーは安全にもつながる。速いけれど安全。それこそが真のスポーツカーだと認識させてくれる出来なのだ。
それでいてレースカーとはちがい、乗り心地は快適で、長い距離のドライブでもまったく疲れない。シートもよくできていて、ゴルフへの遠出などでもまったく問題なさそうだ。ドライビングポジションも考え抜かれたもので、速いだけでない。すばらしく機能主義的なモデルといってもいい。
「私が2002年にGT-Rの開発に携わった時、これからのスポーツカーは2ペダル(アクセルとブレーキ)だ、と言ったら、多くの人に信じてもらえませんでした。当時はスポーツカーとはマニュアル変速機(3ペダル)で乗るものだったからです」
田村氏は当時を回想して語る。
「でも今、世の中でマニュアル変速機のスポーツカーなんて数えるほどしかありません。大パワーを制御しながら速く走るためにはオートマチック変速機だと、世界中のメーカーが気づいたからです」
常に時代を先んじてきた感のあるGT-Rだ。シフトレバーをDレンジに入れたままで、見事な加減速を味わわせてくれるのは、先に触れた通りである。今や熟成し、2020年モデルを体験して、これこそ買うべきモデルではないかと思った。
欧州を中心に排ガス規制が厳しくなるいま、クルマは曲がり角にある。大排気量エンジンの多くは早晩生産中止になる運命ともいわれていて、GT-Rは残ってほしいが、どうなるかは予想がつかない。
クルマの黄金時代が送り出した最後?の最強のスポーツカー、NISSAN GT-Rは田村氏の思いが凝縮した”アート”といっていい。それを味わえるのは今であり、チャンスは逃すべきではないのだ。
ちなみに6月に発売される2020年モデルのラインアップは、「GT-R ピュア エディション」「GT-R ブラック エディション」「GT-R プレミアム エディション」「GT-R 50th Anniversary」だ。また、スポーツ性能をより高めた「GT-R NISMO」はすでに先行予約販売が開始されている。
3799ccの6気筒エンジンは軽くレッドゾーンまで回り、加速性能はロケットのようだ。ステアリングは微細な領域まで握る手に情報を伝えてくれるが、かといって神経質ではない。スーパースポーツカーの例にもれず、つまむように握っているだけで、望んだ通りのラインを走っていける。
ブレーキのフィールは、GT-Rの最大の魅力の一つといってもいい。サーキットは時速300キロからのフルブレーキングなどということもあるだけに、高速での安心感が違う。ドライバーの意思通りに減速し、かつ絶対的なストッピングパワーは安全にもつながる。速いけれど安全。それこそが真のスポーツカーだと認識させてくれる出来なのだ。
それでいてレースカーとはちがい、乗り心地は快適で、長い距離のドライブでもまったく疲れない。シートもよくできていて、ゴルフへの遠出などでもまったく問題なさそうだ。ドライビングポジションも考え抜かれたもので、速いだけでない。すばらしく機能主義的なモデルといってもいい。
「私が2002年にGT-Rの開発に携わった時、これからのスポーツカーは2ペダル(アクセルとブレーキ)だ、と言ったら、多くの人に信じてもらえませんでした。当時はスポーツカーとはマニュアル変速機(3ペダル)で乗るものだったからです」
田村氏は当時を回想して語る。
「でも今、世の中でマニュアル変速機のスポーツカーなんて数えるほどしかありません。大パワーを制御しながら速く走るためにはオートマチック変速機だと、世界中のメーカーが気づいたからです」
常に時代を先んじてきた感のあるGT-Rだ。シフトレバーをDレンジに入れたままで、見事な加減速を味わわせてくれるのは、先に触れた通りである。今や熟成し、2020年モデルを体験して、これこそ買うべきモデルではないかと思った。
欧州を中心に排ガス規制が厳しくなるいま、クルマは曲がり角にある。大排気量エンジンの多くは早晩生産中止になる運命ともいわれていて、GT-Rは残ってほしいが、どうなるかは予想がつかない。
クルマの黄金時代が送り出した最後?の最強のスポーツカー、NISSAN GT-Rは田村氏の思いが凝縮した”アート”といっていい。それを味わえるのは今であり、チャンスは逃すべきではないのだ。
ちなみに6月に発売される2020年モデルのラインアップは、「GT-R ピュア エディション」「GT-R ブラック エディション」「GT-R プレミアム エディション」「GT-R 50th Anniversary」だ。また、スポーツ性能をより高めた「GT-R NISMO」はすでに先行予約販売が開始されている。


(上)ステアリングは軽く、つまむように握っているだけで、望んだ通りのラインを走っていける。(下)究極のドライビングプレジャーを追求してきたGT-R。その一つがグランツーリズモ(GT)として心地よく洗練された走りを生み出すこと。もう一つはレーシング(R)技術による圧倒的な速さを楽しむことだ。