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1. 蛤を酒蒸しにして、身を取り出す。黒い肝を取り除き、細かく刻む。
2. 魚のすり身と菜の花、蛤の身をフードプロセッサーで軽く混ぜる。
3. 蛤の身などを俵形にまとめて、白菜で包んで蒸す。
4. 最高の真鯛はフードプロセッサーで粗みじんにした大根と潮汁に。
5. 真鯛の頭を取り、縦に割る。ここに軽く塩をしておく。
6. 昆布を入れた鍋に頭と大根を入れて煮て、酒で味を調える。
 日本でさしずめ、滋養のあるスープとなれば、真っ先に思い浮かべるのは、蛤のスープだ。貝にはすべからく、ミネラルやタウリンが多く含まれているから、疲れた時には、シジミやアサリのみそ汁が恋しくなるが、早春から旬を迎える蛤のスープは、栄養ドリンクさながらに、体に活気を与えてくれる。
 貝類のスープをおいしく作る第一歩は、まず貝をよく洗うこと。貝同士をごしごしと擦り合わせるように洗うと、驚くほど汚れが出るものだ。貝のスープをとる時に出る灰汁は、全て取ることが大事で、これを怠れば、澄み切った空のような味わいにはならない。
 海のスープの代表格は貝だが、王様は鯛の潮汁かもしれない。この作り方においても大切なのは、「汚れをどこまで拭えるか?」にあるといえる。まず頭を出刃包丁でたたき割った後、流水で脂や汚れを奇麗に流すこと10分。味が抜けるやもというのは要らぬ心配だ。冷水の中では、うまみは流れ出さず、雑味だけが流れる。この後、軽く熱湯で“霜降"にし、再び流水で奇麗に血や汚れを取り除く。水気を拭い、満遍なく塩を振り、15分程度置き、火に掛ける。灰汁をすくい、脂をすくい、5分程度煮て味わいが深くなったところで火を止め、椀に盛る。
 スープは最も単純な料理であり、最も難しい。一度で上手になるはずもなく、繰り返しやるしかない。こんなにスープが好きな私が料理人になって30年経ち、今もやはりスープは一番「恐い料理」なのだ。

元麻布「かんだ」
東京都港区元麻布3-6-34 カーム元麻布1F TEL03-5786-0150
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