
(左)若狭小鯛
黄みがかった桜色が目にも鮮やかな若狭小鯛は、一般的には、キダイ、レンコダイと呼ばれている。御食国として加工技術が発達した若狭では、小鯛のささ漬けが伝統料理だ。
(右)小浜漁港
毎朝7時30分から始まる競り。仲買人が静かに集まってきて、サイレンの合図でセリが始まる。水揚げされた魚が多い時は、2人の競り人で手際よく魚が値付けされていく。
黄みがかった桜色が目にも鮮やかな若狭小鯛は、一般的には、キダイ、レンコダイと呼ばれている。御食国として加工技術が発達した若狭では、小鯛のささ漬けが伝統料理だ。
(右)小浜漁港
毎朝7時30分から始まる競り。仲買人が静かに集まってきて、サイレンの合図でセリが始まる。水揚げされた魚が多い時は、2人の競り人で手際よく魚が値付けされていく。
冬味礼讃
「食材が豊かな所は、リアス式海岸であることが多いですね。若狭湾は日本海側でも珍しいリアス式海岸。同じ御食国の伊勢や志摩も、同じくリアス式海岸を持っています。ではなぜリアス式海岸が豊かな海を育むかというと、海と山が近いからでもあります。海からの風に乗って近くの山で冷やされた雲が雨を降らせ、雨が森林の地下に染み込みます。こうしてミネラル分が含まれた地下水が川となって海へと流れ込む。ちょうど小浜漁港付近で北と南にある北川と南川が合流しているんですよ」
と若狭・小浜の海がうまい魚を育むそのわけを下仲氏はこう話す。
越前岬から経ヶ(きょうが) 岬にかけて広がる若狭湾は、敦賀半島や、常神(つねがみ)半島、内外海(うちとみ)半島、大島半島が海へとせり出し、いくつもの入江が入り組んだ独特の地形。その中でも大島半島と内外海半島に囲まれ、深い入江となっているのが小浜湾だ。
「小浜漁港に水揚げされる魚は、とにかく種類が豊富。湾の先で寒流と暖流が交わり、そこにプランクトンが発生するからいろんな魚が集まってくるんです。それに両半島の先端部の距離が2㎞と狭く、これが自然の防波堤となって、湾内は穏やかだね。だから小型船を中心に、底引き網、延縄(はえなわ)、定置網、一本釣り、素潜りとさまざまな漁法がある。これだけの漁法がある漁港は、少ないんじゃないかなあ」
と若狭・小浜の海がうまい魚を育むそのわけを下仲氏はこう話す。
越前岬から経ヶ(きょうが) 岬にかけて広がる若狭湾は、敦賀半島や、常神(つねがみ)半島、内外海(うちとみ)半島、大島半島が海へとせり出し、いくつもの入江が入り組んだ独特の地形。その中でも大島半島と内外海半島に囲まれ、深い入江となっているのが小浜湾だ。
「小浜漁港に水揚げされる魚は、とにかく種類が豊富。湾の先で寒流と暖流が交わり、そこにプランクトンが発生するからいろんな魚が集まってくるんです。それに両半島の先端部の距離が2㎞と狭く、これが自然の防波堤となって、湾内は穏やかだね。だから小型船を中心に、底引き網、延縄(はえなわ)、定置網、一本釣り、素潜りとさまざまな漁法がある。これだけの漁法がある漁港は、少ないんじゃないかなあ」