徹底した研究開発の成果はまずケースの堅牢性に見てとれる。地金から切削加工を施した後、超硬化処理を施すことで、時計業界で一般的に採用される硬度の4倍にまで高めたステンレススチールケースの開発に成功。キズがつきにくいだけでなく、強打による凹みや変形にも耐える硬度の高さを実現した。全モデルに耐磁性を考慮したインナーケースを装備し、10気圧防水を備えるというドイツ工業規格にのっとった真摯(しんし)なもの作りもダマスコらしい。
そして、彼らの技術革新の集大成とも言えるのが内部の要であるムーブメントだ。2011年に発表したダマスコ初となる自社製手巻きキャリバー「H 35」には、以前から積極的に開発していた「EPSⓇ」と呼ばれる特許技術により製造されたシリコン製のひげゼンマイと脱進機を搭載。金属より軽く、変形しづらいうえに、磁気の影響を受けにくいため、ムーブメントに加わる姿勢差や衝撃、遠心力に対して高い耐久性を発揮することができる。緩急機にフリースプラングをセットすることでより高度な精度調整を可能にしている点も加えておきたい。ともに高級腕時計ブランドが採用している高度で高価とされるものだが、同部品搭載モデルを40万円程度からという価格で提案しているのはダマスコだけが持つ強みである。
そして、彼らの技術革新の集大成とも言えるのが内部の要であるムーブメントだ。2011年に発表したダマスコ初となる自社製手巻きキャリバー「H 35」には、以前から積極的に開発していた「EPSⓇ」と呼ばれる特許技術により製造されたシリコン製のひげゼンマイと脱進機を搭載。金属より軽く、変形しづらいうえに、磁気の影響を受けにくいため、ムーブメントに加わる姿勢差や衝撃、遠心力に対して高い耐久性を発揮することができる。緩急機にフリースプラングをセットすることでより高度な精度調整を可能にしている点も加えておきたい。ともに高級腕時計ブランドが採用している高度で高価とされるものだが、同部品搭載モデルを40万円程度からという価格で提案しているのはダマスコだけが持つ強みである。


(上)創業者であるコンラッド・ダマスコ氏(写真右から2番目)を中心に、機能性と堅牢性を極めた時計作りを続けるダマスコファミリー。(下)徹底したこだわりはムーブメント裏の美しい仕上げにも見られる。ローターやブリッジにはジュネーブストライプ、地板には伝統的なペルラージュ加工が施されている。