
仁風閣館内のらせん階段。硬く加工しにくいケヤキを使用し、支柱も用いず、これだけ美しい曲線の階段をかけるには、よほど優れた職人技が必要だったに違いない。
凛とした空気が流れる内部の意匠も圧巻だ。1階は鳥取藩や池田家ゆかりの品が並ぶ展示室となっており、2階に「謁見所」や「御座所」、「御寝室」といった、皇太子が宿泊された当時の部屋が残されている。イタリア産の大理石やイギリス製のタイルなど、海外から最先端の素材を取り寄せてしつらえたマントルピース(暖炉飾り)を始め、金の装飾がほどこされた椅子、和洋折衷のカーテンボックスなどの繊細な職人技に目を奪われる。
見どころの一つが、館内の奥、外観を特徴づけていた塔の内部にあるらせん階段。高さ4mの階段は、硬いケヤキを彫った「ささらげた」と呼ばれる厚板のみで支えられており、支柱がない。その技術力の高さはもちろんのこと、構造の美しさ、窓を背にした曲線のしなやかな優美さは、まさに芸術と呼ぶにふさわしい。この階段が、使用人のために作られた階段だということにも驚かされる。館内にはもう一つ、手すりに細やかな装飾を施し、絨毯(じゅうたん)を敷いた、これも美しい別の階段があり、上ってすぐのホールに東郷平八郎の額がかけられている。家主や客人は、こちらを通って2階へ上っていたそうだ。
見どころの一つが、館内の奥、外観を特徴づけていた塔の内部にあるらせん階段。高さ4mの階段は、硬いケヤキを彫った「ささらげた」と呼ばれる厚板のみで支えられており、支柱がない。その技術力の高さはもちろんのこと、構造の美しさ、窓を背にした曲線のしなやかな優美さは、まさに芸術と呼ぶにふさわしい。この階段が、使用人のために作られた階段だということにも驚かされる。館内にはもう一つ、手すりに細やかな装飾を施し、絨毯(じゅうたん)を敷いた、これも美しい別の階段があり、上ってすぐのホールに東郷平八郎の額がかけられている。家主や客人は、こちらを通って2階へ上っていたそうだ。