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 モレキュラー・ガストロノミーを駆使した前衛的かつ独創的な創作は、すでに彼の師アドリアと双璧を成す。アローラの世界を命名するならば『総合的な芸術性』という一言につきる。「アドリアの…」という枕詞がつきまとうジレンマを払拭するとともに、アローラ最大の武器といっても過言でないのがビジュアルセンスの素晴らしさである。レストランという空間を形成する様々な要素、例えば空間デザインや照明デザイン等、それぞれの専門分野においても彼に比肩する才能は稀だ。スペイン王室御用達の宝飾メゾン、カレラ イ カレラとのコラボで時計デザインを務めるほどの芸の深さである。「セルヒ・アローラ・ガストロ」のトータルプロデュースももちろん彼の手によるものである。こうした総合的な要素の頂点に位置するのが、『料理』という創造であることは説明自体が野暮にあたる。食という悦びに、視覚的、触覚的、そしてときには官能的な芸術性を見いだす空間、つまりは「セルヒ・アローラ・ガストロ」である。

Sergi Arola Gastro
C/ Zurbano 31 28010 Madrid
TEL+34 91 310 21 69
www.sergiarola.es
1 タルタルステーキのウズラの卵黄添え(左)、キュウリとタマネギのみじん切りのパリンチソースブランデー風味(手前)、マスタードの葉(奥)。目にも楽しい一皿だ。
2 視覚化された厨房長の視点。食のオーケストラの譜面台。
3 コンサートホールを彷彿とさせるような厨房からの俯瞰。
4 ミニマリズムを旨とするアローラならではの選択と立地。マドリッド中心部ながらも裏通りに構えたたたずまいがスペクタクルのオーヴァーチュア。
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