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(左から)プレゼンテーションの妙味もタパスならでは。カウンターをはさんだ家族同様の付き合い。
LAREDO=マドリッドの情熱。スペイン中ほぼすべての銘柄を揃えているのもマドリッド・タパスの特徴。
こうした状況のなかで、自由世界との接触があり、文化的な『触媒』として存在していたの
がバスク人たちだった。バスク地方は言語、文化とも他の地域とは全く異なり、その豊潤な食文化は古くから美食家たちの耳目を集めてきた。文化的な一体性を保ちながらも、近代国家という概念の誕生とともに民族圏をフランス、スペインに二分され今日にいたる。こうした地政学的な位置において、スパニッシュ・バスクの料理人たちに大きな衝撃と影響を与えたのが、また一方の同胞たち―フレンチ・バスクが活躍するフランスのガストロノミー革命だった。フランスにヌーヴェル・キュイジーヌの嵐が吹き荒れた1970年代以降、ガストロノミーの極を席巻した時流に活動の場を移したファン=マリ・アルサークやルイス・イリサールといったバスクの料理人たちは、ヌーヴェル・キュイジーヌと自らのルーツとの折衷型の様式をスペインに紹介した。生クリームやバターといった、伝統的なフランス料理のエッセンスを活かし、ときには醤油という日本の伝統的な調味料をかくし味に用いる手法は、コシナ・ヌエバ・バスカ―新バスク料理とよばれる様式を生んだ。この革新はやがてスペイン全土にもたらされ、スペイン版ヌーヴェル・キュジーヌ―コシナ・ヌエバの時代を迎える。
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