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市内のいたるところで見かけるスペインの保存食の代表格、ハモン専門店。
バリエーションもさることながらそれらの特徴を活かした調理法の広がりは今なお進化の過程にある。
 バカラオ以前から、フェニキア人がソースを、ギリシャ人がオリーブを伝え、ムーア人(アラブ人)はスペイン料理のエッセンスともいえるニンニク、米、香辛料といった食の土台をこの地にもたらしていた。こうした個性的な文化的構造を基礎にして迎えたのが前述の宗教的影響力であった。それらを背景にして、人類史的なスケールで地球規模の変革を食事情にもたらす転回点がイベリア半島に訪れた。スペインが最も輝き、世界史の主役となった時代―大航海時代の到来である。スペイン商隊が米大陸、特に南米に進出の足がかりを築くのを契機として、伝播速度、物量ともに比較にならないほどの食材が、世界中のどこよりも早くイベリア半島にもたらされたのだ。マドリッドの食卓に流入した新たな食材は、従来の食とのメスティソ(混血)を生み、独り立ちを果たすことになる。ムーア起源のトルティージャと馬鈴薯やトウモロコシ。ハモン(生ハム)と豆類の出会いが生んだファバーダ(豆煮込み)。エンパナーダ(パイ)のベースにはトマト…。このようにフェニキア人以来の外的要素を巧く折衷させたかたちで成立したのが、マドリッド料理とよばれるものの個性であり、ひいてはスペインの食文化を網羅する特徴だ。
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