
リヤドロ創業者三兄弟の長男、ホアン・リヤドロの三女。リヤドロ社の副社長を務めるアンへレス・リヤドロ氏。
リヤドロは陶工という古来の固定観念をあえて否定し、ピラミッドで研鑽にいそしむ彼らをアーティストとして明確に定義する。「家族」「愛」「生命」など、世界的に普遍のテーマに立脚したコンセプトをもとに繰り広げられる、11人の彫刻家たちのコンペとしての性格がより強い工程だけに、アーティストという呼称もうなずける。ここでつくられたひな型は年に7回、リヤドロファミリーの3人で構成されるクリエイティブ委員会の審査にかけられ、造形美はもとよりコンセプト、リヤドロの哲学との整合性といったテーマまで掘り下げた審査後に承認を受け、ポーセリンアートとして初めて具現化されていく。それらの大部分が、完成された作品として世に送り出されるまでに数年を費やすという。調合成分や窯入れ後の伸縮率がそれぞれ異なるピースをつなぎ合わせ、着色していく作業は当然ながら熟練工たちによるもの。作品によっては300を超えるピースを用いる作品もある。2007年に発表され、リヤドロの新たな方向性を世に示したマスターピース「Queen of the Nile」は、構想から6年を経て完成した大作だった。「職人ではなくアーティスト」たちによるリヤドロのクリエーションを物語るもう一つの特徴に、外部の著名アーティストとのコラボレーションが挙げられる。近年では工業デザインの分野で八面六臂の活躍を見せるハイメ・アジョンとのコラボレーションが、ポーセリンアートの世界はもとよりさまざまな分野から大きな注目を集めた。

リヤドロの本拠点ポーセリン・シティのブレーンとなるのが、アーティストたちのアトリエ集合棟ピラミッド。