

金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
「円安・株高の逆流」はいつまで続く?
今年の年初来、なおも日本株の調整局面は続いている。昨年 12 月 30 日に一時 1 万 6320 円まで駆け上がった日経平均株価だが、今年 2 月と 4 月には一時的にも 1 万 4000 円割れの水準まで押し下げる場面を垣間見た。3 月と 4 月には一旦 1 万 5000 円台を回復する場面もあったが、戻りを試すたびにその上値は切り下がっており、日々の値動きを表すロウソク足(日足)チャートの形状を見ても、依然として弱気相場が継続していることを強く感じさせられる。
何より注目なのは、執筆時において日経平均株価の 75 日移動平均線(75 日線)が上方から一気に下降してきており、非常に重要とされる 200 日移動平均線(200 日線)を上から下へ突き抜けようとしていることである。この 75 日線が 200 日線よりも下方に位置する格好となるのは 12 年 12 月下旬以来であり、言い換えればアベノミクス相場が本格的にスタートして以来のこととなる。
もちろん、アベノミクス相場の「第1幕」が終了したとの感触は年初から日増しに強まっていたわけであるが、いよいよ 75 日線が 200 日線を上から下へ突き抜ける「デッドクロス」を目の当たりにするということは、その感触を一段と強めることにつながる。
昨年、1 年間で約 15 兆円も日本株を買い越した海外投資家はアベノミクスの進展に対する期待を大きく後退させている模様で、目下は完全に腰が引けた状態である。先ごろ、財務大臣が発した「ちょっとGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の話をしたら、日経平均株価が 400 円も上がった」との一言は、呆あきれ返るというよりも、むしろ背筋が少々寒くなる思いを抱かせるものであった。
何より注目なのは、執筆時において日経平均株価の 75 日移動平均線(75 日線)が上方から一気に下降してきており、非常に重要とされる 200 日移動平均線(200 日線)を上から下へ突き抜けようとしていることである。この 75 日線が 200 日線よりも下方に位置する格好となるのは 12 年 12 月下旬以来であり、言い換えればアベノミクス相場が本格的にスタートして以来のこととなる。
もちろん、アベノミクス相場の「第1幕」が終了したとの感触は年初から日増しに強まっていたわけであるが、いよいよ 75 日線が 200 日線を上から下へ突き抜ける「デッドクロス」を目の当たりにするということは、その感触を一段と強めることにつながる。
昨年、1 年間で約 15 兆円も日本株を買い越した海外投資家はアベノミクスの進展に対する期待を大きく後退させている模様で、目下は完全に腰が引けた状態である。先ごろ、財務大臣が発した「ちょっとGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の話をしたら、日経平均株価が 400 円も上がった」との一言は、呆あきれ返るというよりも、むしろ背筋が少々寒くなる思いを抱かせるものであった。