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日本でとれるカツオは、東シナ海に生まれ、黒潮に乗ってやってくる。カタクチイワシなどを追って、太平洋沿岸を北上し、房総沖を回ってさらに北へと進むが、宮城沖辺りで寒流に押し戻される。これと同じような動きをするのがマグロだ。マグロは、魚体が大きく、寒流にも強いので噴火湾まで北上し、大量のプランクトンとともに、津軽海峡を渡り、日本海に回遊する。これが大間のマグロということになるのだが、実は鯨もカツオと同じ漁場にいるといわれる。今となってはあまり手に入らない食材だが、子供の頃や修業時代に安価な総菜としてよく食べた。
 海が魚を育て、導き、その魚たちを追って日本の水産業界も日本料理界も発展してきた。海洋資源の枯渇が問題となる今、本当に豊かな食卓とは何なのか、真摯に向き合わなければならないと、ガラにもなく思う、今日この頃である。

元麻布「かんだ」
東京都港区元麻布3-6-34 カーム元麻布1F  TEL03-5786-0150
北寄貝椀
北寄貝は一見、赤貝のようだが、その本質は蛤に近い。驚くようなスープが、その身に詰まっているのだ。

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