40年ほど前に起きた「豊島事件」をご記憶だろうか。瀬戸内海に浮かぶ豊島に、個人事業者によって約67万トンもの産業廃棄物が不法投棄されたこの事件で、豊島の住民たちは立ち上がった。事件が事業者の刑事処分で収束させることをよしとせず、大量の産業廃棄物を島から撤去することを県と世論に訴え続けたのだ。その公害調停に携わる弁護士の中坊公平氏と、当時阪神・淡路大震災の復興支援に取り組んでいた安藤氏が、「荒廃する瀬戸内海沿岸をどうにかしなければいけない」と意気投合。豊島をはじめとする瀬戸内海の離島を主な対象区域とする植樹活動基金設立の構想が生まれた。そうして2000年に発足したのが「瀬戸内オリーブ基金」である。
「大阪と神戸で育った私にとって、瀬戸内海はとても身近な存在です。夏になると、友人と連れ立って香櫨園の浜に出かけ、日が暮れるまで海と戯れたものです。遠くに淡路島の島影を望む内海の風景、そして海に沈む夕陽の美しさが、今も鮮烈に蘇ります。それだけに、緑で覆われているはずの島肌のあちこちに地肌がさらされていたり、ゴミの山で真っ黒に塗り潰されたような一角があったりする、そんな悲惨な現実を黙って見過ごすことはできません」
オリーブをシンボルツリーとする基金発足から10年、100万本の植樹を目標に、募金とボランティアによる活動が続けられている。「人間は自然が生んだ子ども。親を思うのと同じ気持ちで自然を大切にしたい」と言う安藤氏は、瀬戸内海の原風景に立ち返りつつ、新たな未来を創り出そうとしている。
「大阪と神戸で育った私にとって、瀬戸内海はとても身近な存在です。夏になると、友人と連れ立って香櫨園の浜に出かけ、日が暮れるまで海と戯れたものです。遠くに淡路島の島影を望む内海の風景、そして海に沈む夕陽の美しさが、今も鮮烈に蘇ります。それだけに、緑で覆われているはずの島肌のあちこちに地肌がさらされていたり、ゴミの山で真っ黒に塗り潰されたような一角があったりする、そんな悲惨な現実を黙って見過ごすことはできません」
オリーブをシンボルツリーとする基金発足から10年、100万本の植樹を目標に、募金とボランティアによる活動が続けられている。「人間は自然が生んだ子ども。親を思うのと同じ気持ちで自然を大切にしたい」と言う安藤氏は、瀬戸内海の原風景に立ち返りつつ、新たな未来を創り出そうとしている。

海の森プロジェクト
東京湾のゴミ埋立地を植樹によって緑豊かな森へ生まれ変わらせるという今までにない試み。市民(民間)からの募金によって植樹をすることには、市民の「志」が森をつくり、次世代へ美しい自然を受け継ごうというメッセージが込められている。
www.uminomori.metro.tokyo.jp
東京湾のゴミ埋立地を植樹によって緑豊かな森へ生まれ変わらせるという今までにない試み。市民(民間)からの募金によって植樹をすることには、市民の「志」が森をつくり、次世代へ美しい自然を受け継ごうというメッセージが込められている。
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