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音楽はどこで聴いても、人を感動させる可能性を持つ。大して音質が良くないカーラジオからの音楽でも、例えば夜更けの街を流しているときに聴いて、一生忘れられない思い出になることもある。傑作映画として名高いルイ・マルの『死刑台のエレベーター』に音楽をつけるとき、マイルス・デイヴィスはラッシュを見ながら即興で曲を作ったそうだ。それゆえに映像と合わせて聴くと、とりわけ印象的だ。
 でも、やはり音楽にとって、落ち着いて耳を澄ませるリスニングルームこそが、最も似合う場所だろう。音楽家の中には、ヘルベルト・フォン・カラヤンのように再生装置に金を使っていた人もいるし、オーディオに凝っている東京のバーで小澤征爾氏が音楽に耳を澄ませている姿を何度か目撃したこともある。
 人間の耳は贅沢に出来ていて、いい音を聴くと、次にそれより質の劣る音を聴いたときに違いが分かる。きちんとセッティングされたオーディオで音源を聴くことで、自分の中によどんでいたノイズが整理されて、外へと押し流されて、代わりに美しい音が入ってくる。そんなイメージかもしれない。
 そのためには、できれば余計な音が入ってこない部屋や、気持ちを落ち着かせてくれる部屋がいい。自分の中に音楽が満ちてくる。そのときの高まりに音があるとすれば、きっと水の音よりも美しいだろう。その音が聴きたくて、いいオーディオに耳を傾けるのかもしれない。
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