


(左・右上)IM VIADUKTの中心的存在、屋内市場MARKTHALLEには庶民的な空気が息づいている。(右下)屋内市場の内側に隣接したレストラン。流行に敏感な若者たちでにぎわう。
こうした再開発の形態は、チューリヒのみに限ったプロジェクトではない。極論するならば、今や斬新性に欠けた都市開発構想とすら言える類いの事例だ。それにもかかわらずヴィアドゥクト地区の再開発計画は、新しい試みとして世界中の関係者から注視される存在だ。時代と都市機能の変遷によって、かつて物流の要であった港湾施設や鉄道貨物ヤードが無用の長物となり、結果的に中心部に大規模な再開発地域が生まれる構図は、世界中の主要都市が経験してきた。ニューヨーク・サウスストリートシーポート地区、ロンドン・ドックランド地区、パリ・トルビアック地区等々、枚挙にいとまがない。とりもなおさずチューリヒ・ヴィアドゥクトの事例も同様な経緯を踏んでいる。それにもかかわらず同地区再開発計画が「世界で類を見ない」例として注目される理由は、そのプロジェクトの端緒にある。
●IM VIADUKT
Viaduktsrasse CH-8005 Zürich
http://www.im-viadukt.ch
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