京に生まれ、京に育てられた企業
アーキエムズの創業者であり、村田代表の父でもある先代は、故郷の京都に村田建築事務所を設立し、その名の通り、京都の街を形づくる建築の仕事のみを手がけていた。だが、2人の息子たちには学生時代から惜しみなく海外を旅行させて回り、世界各地の街づくりを見聞することで、広い視野を養い、それを京都の街に還元しようとした。「とにかく、海外旅行にならお金を出してくれる父だったので、私も専務を担う弟も、かなりの数の国を回りました。京都の人の中には、外を知らない人も多い。それだけ、自分たちの街に誇りを持っているから、ともいえるでしょう。しかし、外を知ることで京都の良さや個性をより理解することができ、反対に、取り入れるべきところも見えてくるのです」。京都では、3代続いていないと、京都人とはいえないという。村田家は、雅明氏で4代目。まさしく京に生まれ、京に育てられた京都人でありながら、本当の生粋ではない。だからこそ、京都を深く理解しつつ、外に向いた視野を併せ持つことができたのだろう。