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ル・ロワズィールは、夫婦で切り盛りする全22席のビストロだ。調理場は大坂尚久氏、サービスは妻の智子さんと、まさに二人三脚で店を守る。子育てのため数年店を離れていた智子さんが2年前に復帰。結婚式以来?のツーショットだそう。
夫婦二人のフランス版定食屋
 1636(寛永13)年、時の将軍、徳川家光が江戸城の拡張工事の総仕上げとして、牛込見附と牛込橋を築いた。そして、この牛込橋から家光がブレーンとして頼りにしていた、老中・酒井忠勝の下屋敷までの牛込御門通りも開通。これが道幅も現在と同じ神楽坂通りだ。
 かつての将軍自らが通るためにつくったその自慢の坂道の頂上に当たる場所にル・ロワズィールはある。フランス語で「余暇」という意味のこのレストランは、“神楽坂フレンチ"の草分けともいえる存在だ。
 「もともとここから少し離れた牛込北町で『ラビチュード』という店をやっていました。この店にも、旧日仏学院の先生や、学生さん、神楽坂在住のフランスの方には、よく来てもらっていたのですが、やはり飯田橋の駅や神楽坂通りからは少し遠いという声もあり、物件を探していたのです。それに当時は、今のように神楽坂通り周辺にフレンチレストランは何軒もありませんでした」
 と振り返るオーナーシェフの大坂尚久氏。もともと四谷や高田馬場の店で働いていたこともあり、この界隈に店を持ちたいと考えていたそうだ。そして、1999年にル・ロワズィールを開業。
「ここに店を出してから、フランス人のお客さんも増えてきました。この周辺で先にやっていらしたフランス料理店は、サン ファソン、ル・ブルターニュ、ル・クロ・モンマルトルの3軒程度。フレンチの店は少なかったからライバルというよりは、“仲間"のように仲良くしていましたよ。パンがなくなってしまったら、他店に借りに行ったり、貸したり、お客さんを紹介し合ったり、協力して助け合いながらやってきました。もちろん、今でも仲良くしています。こうしたフランス料理店同士のネットワークが出来上がったからなのか、需要が多いからか分かりませんが、神楽坂のフランス料理店は、ほとんどつぶれないんです」
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