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(左)豚足に長時間マリネしたフォアグラを詰め、ピスタチオが入った自家製のリヨン風ソーセージやジュを合わせてプレスした「豚足と鴨のフォアグラのテリーヌ」。まろやかで深い味わいが後を引く一品。
(右)ブランマンジェに塩漬けの桜をブレンドした香り高い桜のゼリーや、ヨーロッパでよく使われるシソのスプラウトを散らした「自家製ブランマンジェ 苺と桜風味のゼリー 赤シソのスプラウト」。爽やかでエレガントな春ならではのデザートである。
 時々、スタッフに単語を確認しながら、日本語を駆使して柔和な笑顔で話してくれるポコ氏は、リヨン人の父とノルマンディ人の母のもとに生まれ、少年時代をリヨンで過ごした人物。15歳で料理の世界に入り、ルーアンの二つ星レストラン「ジル」でジル・トルナードを師と仰ぎ、当時のトゥールダルジャンの料理長マニュエル・マルティネスを始め数々のスターシェフに料理を学んだ。1998年、日本に一目ぼれして来日。フランス料理学校の名門ル・コルドン・ブルーで教職に就き、不忍池のほとりにあったホテルソフィテル東京の総料理長として高い評価を得るなど、その経歴は華々しい。
 そんなポコ氏が生み出すのは、ブションらしいリヨンの郷土料理にガストロノミーの要素を加え、盛り付けも華やかに仕上げた洗練された料理の数々。ブションやビストロでは既製品を出すことも多いパテやテリーヌも、手間ひまかけて手作りする。前菜の豚足と鴨かものフォアグラのテリーヌも、豚足を柔らかく煮込み、12時間マリネしたフォアグラを詰め、3日間かけて作る自家製のリヨン風ソーセージを合わせてプレスした本格的な一品だ。食材はフランス産だけでなく、野菜は北海道から、魚は宮崎で獲(と)れたものを空輸して使用。ヤガラやマトダイ、イトヨリなども好んで使うようになった。
 「リヨン料理の特徴は、食材の持ち味を生かすこと。そしてその神髄は、食を楽しむことです。最高の料理と最高のワインを肴(さかな)に、会話に花を咲かせながら、温かなひと時を過ごしていただければ幸いです」

●Lugdunum Bouchon Lyonnais(ルグドゥノム ブション リヨネ)
東京都新宿区神楽坂4-3-7 海老屋ビル1F
営業時間11:30 ~ 14:00(L.O.) 18:00 ~ 21:30(L.O.) 月曜、第1・第3火曜休み
TEL03-6426-1201 http://www.lyondelyon.com
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