世界の贅沢、NILEの贅沢

（左）街中で見かけたアーバン・カウボーイ。（右上）ビッグ・ベンド地方には珍しいワイルド･ターキーの群れがいる。（右下）カウガールが率いる乗馬トレッキング。

19世紀にここにランチを築いたのは、メキシコとの交易で財を成したドン･ミルトンという伝説的な人物であった。3200エーカー、2万頭の家畜を有する大牧場で100人以上の使用人を雇い、1889年に没するまでここで一国一城の主のように君臨したという。
　敷地内に泉もあるため、たびたびアパッチ･インディアンに襲撃されても、持ちこたえることができたという。ドン･ミルトンの死後、妻も一人息子も1913年に死去し、ここを相続した甥は人里離れた暮らしを嫌い、パリに渡った。
　牧場は運営を続けたが、かなり傷んだままの屋敷が残された。それをダラスから来た現在のオーナーが気に入り1990年に別荘ランチとして入手、牧場に手入れをすると共に屋敷を昔の姿に忠実に再現した。
　プールやテニス･コートを造り、ゲスト用の別棟を増築し、数年前にランチ･リゾートとして再生、今日に至っている。開拓時代の歴史を物語る再生ランチとして、テキサス州でも高い評価を受けている。