
(左)日本一の長さを誇る天神橋筋商店街。明治初期から開け始めた、大阪・キタの繁華街では最も古い歴史を持つ。
(右)大阪天満宮の裏の鳥居。奥に、2006年に完成した上方落語の寄席が毎日開催されている、天満天神 繁昌亭の明かりがともる。
(右)大阪天満宮の裏の鳥居。奥に、2006年に完成した上方落語の寄席が毎日開催されている、天満天神 繁昌亭の明かりがともる。
天神橋筋商店街を抜けると、かつての跡地に、飲食店が立ち並んでいる。わずかな隙間に立ち飲み屋、焼き鳥、ビストロ、スペインバル、韓国料理、中華などの店がひしめき合い、昼にはなかった椅子と机が突如、道端にずらり。店先でくつろぐのは、仕事帰りや近所から自転車で訪れた地元人だ。たこ焼きやお好み焼きなどの店はもちろん、北海道や大分など各地の名を冠した郷土店も数多い。国内外の多彩な食が集まるこのかいわいは、まさに現代における天下の台所。大阪的、アジア的なにぎわいと熱気に包まれ、つい時間を忘れて遊んでみたくなる。中心街からは少し離れているため、観光客や東京の人間が訪れることは少ないが、大阪らしい安くてうまい、元気な店が詰まった、今、キタで最も「面白い」エリアの一つだろう。
天満宮付近には婚礼にも使われる老舗料亭やうなぎ屋が並び、上方落語の復活の拠点となっている天満天神 繁昌亭も程近い。法善寺横丁と同じく、天満宮の周りにも、庶民の信仰とうまいもの、そして笑いがそろった、いかにも大阪らしい門前町が広がっている。どちらもかつての遺産ではなく、時代とともに発展し続け、大阪の「今」を表しているのが何ともいえず面白い。それは大阪人のみならず、東京や海外から訪れた人間をも引きつける奥深さと人情、そしてエネルギーをたたえている。
天満宮付近には婚礼にも使われる老舗料亭やうなぎ屋が並び、上方落語の復活の拠点となっている天満天神 繁昌亭も程近い。法善寺横丁と同じく、天満宮の周りにも、庶民の信仰とうまいもの、そして笑いがそろった、いかにも大阪らしい門前町が広がっている。どちらもかつての遺産ではなく、時代とともに発展し続け、大阪の「今」を表しているのが何ともいえず面白い。それは大阪人のみならず、東京や海外から訪れた人間をも引きつける奥深さと人情、そしてエネルギーをたたえている。