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(上)北形青果では、加賀野菜はもちろん、能登野菜や西洋野菜の栽培に力を入れている生産者の野菜を積極的に集めている。プロ向けの飾り用の花、旬を先取りした食材なども多数取り扱う。
(左)ゆでるとぬめりが出る金時草(きんじそう)。ゆで汁は鮮やかな赤紫。
(右)肉厚で大きい、重量感のある原木シイタケ「のとてまり」。能登産。
能登半島の野菜に注目

 近江町市場の青果店で目玉となっているのは、やはり全国的な知名度を誇る加賀野菜だが、近年は石川県産の個人農家が作る特徴的な野菜の売り出しにも力を入れているという。中でも可能性を見込まれてい
るのが、能登半島産の野菜だ。色が美しいビーツ、独特の辛みを持つレホール、山菜の一種で葉ワサビのような風味のセンナ、赤い茎のスイスチャード、赤い斑(ふ)入りの葉野菜カステルフランコなど、個性豊かな野菜作りに取り組む農家が増えている。
 北形青果は、こうした多様な石川県産野菜を扱う店の代表格である。北形青果には、“地元産"の野菜を求め、プロの料理人から一般客まで大勢の人で日々にぎわっている。
 「個人農家さんの作る野菜は量が少なく出荷量も安定しません。しかし、面白い野菜を手掛けてくれる。そんな中、内容はその時採れたもので大丈夫、量も少量で構いません、と、農家さんを一軒ずつ回って、集めてくれる仲卸さんが金沢の中央市場にいるのです。個人農家さんは私たちの『こんな野菜を作ってほしい』という希望にも応じてくれるし、石川県産の野菜はこれから量、質、品種とも充実していくと思いますよ」
 と、北形青果の店長の北形謙太郎氏は話す。
 こうした取り組みは10年ほど前から始まったという。ここ数年で結果が出てきており、中でも大きく分厚い原木シイタケ「のとてまり」はヒット商品。
 生産者、仲卸、小売店の連携で、加賀の野菜はますます面白くなっていきそうだ。
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