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 なお、日経平均株価を構成する225銘柄の今期(14年3月期)の平均1株利益(EPS)は980円程度と予想されており、これにリーマン・ショック以降の予想株価収益率(PER)平均=15.4倍を掛け合わせると、いわゆる妥当水準(フェアバリュー)は1万5092円と弾き出される。一方、アナリストコンセンサスに基づく来期(15年3月期)の日経平均株価の予想EPSは1112円とされており、これに単純に前出の予想PER平均を掛け合わせると1万7125円というフェアバリューが弾き出される。
 当然、来期の利益水準が予想を上回れば、それに伴ってフェアバリューの水準も持ち上げられるわけで、2014年末に向けて1万8000円あたりの水準に到達すると予想することには、それほど無理がないものと思われる。前述したように、年前半は調整含みの展開になる可能性が高いとするならば、日経平均株価が一段の高値を目指すようになるのは年後半から年末にかけてのこととなろう。
 「2014年も最終的には株高」となるためには、何より国内外の投資家が期待する大胆な成長戦略の実行が欠かせない。その点、安倍首相は6月をめどに「新しい成長戦略」をまとめる方針としており、今度こそ「いかなる岩盤にもひるまず取り組む」姿勢を見せてもらわねばなるまい。
(左)田嶋智太郎(たじま・ともたろう) 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。 http://www.e-minamiaoyama.com/

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